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デザイン事例2:鍵をかける行為をデザインする

2011年05月09日 20:00

続いては鍵の事例を2つほど。

keykiss1

左に置いたUSBメモリーに似ているのがキーキッスです。
これも鍵なんですが、一見して鍵に見えません。
そういう鍵が使われる状況ってどんなことでしょうね…?
通常、車のスマートキーの様な電子キーでなければ鍵は使う時に取り出さなければならないわけですが
この取り出す行動の際に日常的に注意を払っている人がいます。
それは…

働く女性なんですね。

これは鍵の持ち方に着目したことから始まった商品開発なんですが、
アイデア発想をしている中で男性と女性では意識がかなり違う事に気がつきました。

男性は抜き身というか鍵を露出させて持つことに馴れていて、
アクセサリーの様にジャラジャラさせていても不安はありません。
ところが女性は鍵をキーケースに入れたり、鞄のポケットにしまったりしています。
ほとんどの女性は鞄を持って行動しますが、鞄の中で見失わないように、と
他のものを傷つけない、絡まないように気をつけているということもあります。
それより以前に、金属の部分を露出させることを恐れているフシがあります。

なぜかというと、仕事からの帰宅時に夜道で鍵束の音が鳴ったり、金属部が反射して光ると
自分の存在を誰かにアピールしてしまうような気がするんだそうです。
ある女性は鍵の金属部を外に露出していると、裸をさらしているような感じがする、
と話していたくらいです。

kitaku_fuan

ドアの前で背中を向けている時間を短くしたい、

さっと取り出してさっと家の中に入りたい、

しかし事前に鍵を準備する事は自分の家が近いことを表してしまう、

タクシーの運転手ですら信用できない…

帰宅の遅い女性会社員の方は、様々な工夫をして犯罪から身を守る努力をしているんですね。

キーキッスを展示会に出した際に、特に女性から「何これ、欲しい!」と圧倒的な要望があったそうですが、
女性の感性のすごい所は、これらの事が一瞬にわかるんですね。
男性は理屈が必要なので、このように状況をくどくど説明する必要がありますが(苦笑)
直感力で購入する女性には見ただけで狙いが伝わりました。これはうれしい成果でした。

ちなみにキーキッスの名前の由来ですが、キー(鍵)がキスする?何のこと?って感じですよね。
これは先端の形状と鍵穴の形状がピタッと合うことで、
大幅に差し込みやすさが向上していることから付いたものです。
別に磁石が入っているわけではないですが、ラフに操作してもスッと入ります。

key&silinder

元々鍵穴が目立たないゼロフラットシリンダーを組み合わせることを前提としていたので、
鍵穴ががわかりにくくても吸い込まれるように鍵が導かれるので、
鍵穴に微妙に入らなくて何度か差し込み直すような事が減らせます。
これも、急いで家の中に入りたい女性には有効なデザインです。

この他にも厚みがあるおかげで指をひねるだけで回せるなどのメリットがあるのですが、
体験しないと魅力が伝わりにくい商品であることは確かです。
このように細かく描写したり想像力を掻き立てるような文章にしないとなりません。
ジャパネットタカダの高田社長のように、魅力を伝える言葉を発しないといけないですね(苦笑)。

この鍵とシリンダーはクルーにもサンプルが置いてあります。
機会があればぜひクルーに来て体感してみてください。

つづきます。
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