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デザイン事例:1 必要度から必欲度へ

2011年04月15日 11:29

まずは京都機械工具(株)の自動車整備用工具箱です。

ktc_skx

引用:京都機械工具(株)カタログより

この会社は基本的にプロの整備士、工場作業者向けの商品を製造しているのですが、
寸法精度や強度は十二分にあり、二十一世紀バージョンと称される普及品のツールでも
カッチリとネジをくわえこんで回すことができます。

ただし、スタイリングは無骨な印象で、握ってネジを回すとエッジが食い込んで痛い。
番手を表す数字の刻印なども「大きく・見やすく」が重視されていて、
グラフィックライクではないんですよね…

F1やGT、カートレースなどのスポンサードもしているので
車好きからはよく知られた「KTC」の3文字ですが、
一般的な認知度は企業が考えているほど高くなく、ブランドの価値も使用者からすると
「良いものは作っているとは分かっているが、どうしても欲しいものではない。
加工して使ったりする」というちょっと残念な意見でした。

必要度は高いのだけど必欲度は低い、のですね。

どうしてこういう事が起こっていたかというと、
実際どんな人が使っているのか、工具がどんな状況でどのように使われているのか、
という情報を集める体制になっていなかったこと、
それとこの要因が大きいんですが、
自らも年がら年中、工具を使って楽しむということをしていなかったんですね。

クルーは車好きや車に関する仕事をしていた人間の集まりなので、
使う人が何を求めているのか、実感としてわかっていました。
(今でも日々発見の連続で、永遠にそうでしょう)
もっともこの点を主張しても、当初は「それはホビーのマニアの世界であって、
プロが使う要求とは違う」と取りつく島もありませんでした…

おかしいですよね。僕らとしてはそんなにコアなマニアという認識もなく(笑)
プロよりハードな事をして楽しんでいるホビーユーザーなんて
たくさんいることを知っているから言っているに過ぎないんですが。

そういう事もあって、論より証拠、まずホビー市場に探りを入れてみましょうということで
プロの人が家で使うようなシーンも考慮して、
仕事でも趣味でも作業や工具に楽しみを求めている人に向けて
商品を考えるプロジェクトを立ち上げてもらい、開発を進めました。

そうして誕生したのがEKR-103です。
ekr_103_front
引用:京都機械工具(株)カタログより

つづきます。
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コメント

  1. | |

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  2. 必欲度って言葉の響き、しっくりきます。
    必要だから購入するというより欲しいからという事のほうが強いですね。
    しかもリピート性があるような気がします。

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