FC2ブログ

「つなぐ」

2011年03月22日 13:21

絶たれぬ戦い
東北関東大震災では、想像を遥かに凌ぐ膨大な有形、無形の資産が一瞬のうちに喪失しました。今は、“絶たれそうに”なっている人命と、暮らしを繋ぐことが最優先で、助けられる側と助ける側が、命をつなぐために必死の活動を展開しています。
ハイパーレスキューの精鋭たちは、妻からの「日本の救世主になってください」の言葉に押され、自らの命も顧みず危険な現場に赴き、「ミッションを果たせました」と言い終ると同時に、こみ上げて来る涙を、必死にこぼしてはならぬと我慢する。崇高な男の顔を拝見しまいた。胸が詰まりました。家族のために戦ったんですね。その背景に1億3千万人の我々日本人がいます。

 昨日は、石巻で9日ぶりに二人の尊い人命が救出されました。救出時、生きのびる緊張感をつなぐためにでしょうか?地元消防員の方から、「将来何になりたいの」という質問に答えた若者は「アーチストになりたいです」と応えたと聞きました。
一人でちゃぶ台に向かい、暗くなるのも気付かず、絵ばかり描いていた自分の少年時代とかぶり、泣けてきました。被災地の全てのみなさまには、万感の思いを込めて、ただただ、深く頭を垂れるのみです。「断たれないで、そこで生きていてください」。友とご家族は勿論のこと、いまだ行方の知れない同胞の無事を祈るにみです。

新たなる「坂の上の雲」をめざして

しかし、今、被災者に思いを寄せると同時に、為さなければならないことがあります。それは、日本が新たなる「坂の上の雲」を目指して、再起に向かい蟻のごとく小さな一歩であっても、踏み出すことです。

まことに小さな国が、開化期をむかえようとしている

日本人が最も愛する小説の「坂の上の雲」司馬遼太郎さんの名文です。
明治維新から敗戦まで70年、欧米と肩を並べる一等国を目指した。敗戦からこのたびの東北関東大震災までほぼ70年、世界第2の経済大国になる。因縁でしょうか?不謹慎を承知で言いますと、ある種、第2の終戦(敗戦ではありません)ではないかと思っています。

敗戦後の高度成長期に僕ら(団塊世代)は育ち、貧しさは残っていたけれど、「あっけらかん」とした、屈託の無い希望に満ちた空気感がありました。「坂の上の雲」の時代と似た雰囲気だったのかもしれません。理由は、失うものは何も無く、ただひたすら創出することが出来た時代だからでしょう。当時はむしろ、この雲を目指すといいよ!と先進諸国(はっきり言うと進駐軍)から与えられた見本を、ひたすらトレースしてきたのだろうと思います。

現在、坂の上に見える“いちだの雲”がどんな雲か、未だ見えません。でも、今だからこそ、僕らは、何も無い青い空に、オリジナルに満ちた希望の白い雲を描くことが出来ます。もう一度、意を決し坂を目指し登って行きませんか?また日本がやってくれた!と言わしめる。世界のお手本になる国に再生させましょう。

見つけた課題は「つなぐ」こと
この機会に「デザインで何ができるか?何をすべきか?」と考え、辿り着いた課題は、訳も無く“絶たれる”人命と暮らしを、営々と努力を重ね築いてきた資産が、“断たれる”資産を、如何に「つなぐ」か”でした。
具体的な構想は完成していませんが、課題だけは見つけました。またブログで一つ一つご紹介したいと思います。

スポンサーサイト





コメント

  1. スタイヤー | URL | nGdA3O4A

    いつも大変お世話さまです。
    ブログの更新がありませんが、体調などはいかがでしょうか?

    想像を超える程の被害が出ている東関東大震災と各方面への影響が大きい原発損傷の問題。
    突然、複雑な方程式を解くような難題が私達の眼前に迫ってきて、政府を初め関係者の方々は懸命に問題解決に当たられていると思います。

    問題解決といえば、我々デザイナーの職能が発揮出来る分野ですが、今回ばかりはその規模の大きさに「何が出来るのか、、」という自問自答の毎日です。

    今後中長期に渡り、原子力発電促進という方針そのものを見直すことになると思いますが、私たちのこれまでの生活もまた色々と見直す必要がありそうです。

    ショッピングセンターやデパートなどでも照明が半分落とされ、当初は異様な感じもしましたが、「鮮度が良く見えるように、、」との意図で暖色系の照明を煌々と当て続ける必要性がそもそもあったのか?? とハタと考えさせられました。

    計画停電の不便な中でトイレのフタが自動で開く機能は一体どういう発想だったのか??
    水道や洗剤が非接触で自動化されるということは、常時通電したセンサーがスタンバイしているというわけで、ここも再考が必要だと思います。

    「CO2削減」「ECO」と言いながら、いつの間にか当たり前になっている色々なシステムは過剰な便利さを追求したデザインであったのかも知れない。

    私事ですが、現在母親が入院しています。
    計画停電が行われると、事前アナウンスの元、10秒程照明が落ちます。直ぐに自家発電に切り替わりますが、医療施設にも影響が及ぶというのも、脱原子力発電の動きの中では議論が必要でしょう。手術などにも影響が出ている様なので、ここにも大きな課題解決の力が必要な分野です。

    ちなみにこの病院では3月から電子カルテの導入が予定されていましたが、延期されました。
    電子カルテは画期的に業務カイゼンが出来るシステムですが、各看護ステーションにPCを増設する必要もあり、今の状況では一概に導入がよしとは言い切れないと思います。

    「デザイン」という切り口で一体何が出来るのか、色々と考えています。
    意気消沈とした日本を何とかしたいという思い。

    先に話ました食品売り場に見られるように、暗いショッピングセンターでも「美味しく見える」売り場?。センサーを使わずに清潔に開栓できる水道? 院内情報システムに頼らずに業務カイゼン出来るカルテ? 色々ありますが、いずれもこれまでの製品開発や町作りの「アプローチ」を変える必要がありそうです。

    世界中が注目している中、何か良い知恵(アイデア)を見つけていきたいと思います。

  2. 馬場 了 | URL | -

    スタイヤーさん

    心のこもったコメント何時もありがたく拝見しています。
    震災後、考えることがありまして、なかなかブログの筆(タイピング)が進まず、みなさんに「どうしたんだ?」と心配をおかけしています。ありがとうございます。

    弊社山崎より「クルーの今」というタイトルで、またぼちぼち復活していますので、よろしくお願いたします。

    頂いたコメントは、本当にその通りで、このような状況になってみると、いかに知恵が浅く、日常の状況を当たり前とみて、デザインをしていたのかが良くわかります。

コメントの投稿

(コメント編集・削除に必要)
(管理者にだけ表示を許可する)

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://crewdesign.blog137.fc2.com/tb.php/65-25512476
この記事へのトラックバック