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講義レポートへの回答

2012年12月13日 18:39

日藝の特別講義を終えて、皆さんから頂いたレポートを読んでいます。

今回はH.Mさんのちょっとひねった意見に答えます。

「これからが本当のデザインの時代だ」とありましたが、これって今までデザインの時代じゃなかった。ということになりますよね。確かに戦時中や敗戦後はデザインどころじゃなかったかもしれませんが、時代によっても人によってもデザイン解釈が違うと思うので、「これからが本当のデザインの時代だ」と言うのは違う気がします。戦時中で言うなら、つつましい色合いで動きやすい(逃げやすい)この時代のいいデザインだったかもしれませんね(笑)。・・・だから「これからが本当のデザインの時代だ」と言う言い方は好きじゃない。・・・・デザインは無限に広がるものだと思っているので(笑)。
レポートより一部抜粋

とっても素直な良い意見だと思います。つまりこれが、権威のある人の意見や世評に惑わされることなく自分の頭と心で捉える「リテラシー」という姿勢です。先生はこんな考え方を望んでいます。でもよく考えると君自身、僕と同じ答えを最初から持っていたんだよ(笑)。

僕なりの答え
デザインは時代を相棒に歩んでいくものですから、君の言うとおり何時の時代も本当のデザインの時代です。理由は以下に書きます。

90分特講という限られた時間内、一気に経験と知識に差がある君たちとの間合いを詰めて、僕の話に引き込むためには若干の「棘・違和感」が必要なこと。君はその棘が刺さって、僕に意見をくれたわけで、大成功だね(笑)。僕なりに工夫した甲斐がありました。僕は講義をプレゼンテーションだと思っています。

matsushita_1000.jpg

松下幸之助さんの「これからはデザインの時代だ」と言った戦後復興期は、造形・意匠のデザインが最先端であったこと。つまり君のいう戦時中の逃げやすいデザイン同様にね。つまり、これがこの当時の本当のデザインなんだね。

今、僕ら一線級のデザイナーは、松下さんから見たらずっと未来の人間で、氏の提唱された、造形・意匠から始めるデザインでは、すでに豊かな生活者になった今を生きる君たちを、更に豊かにすることとはできないことが20年前ま気付きだした。だからここに一歩後れた大手家電メーカーは苦労しているんだよね。

だから、「ブリッジデザイナー」として、「ニューデザイナー」候補の君たちに、先輩の唱えた名言「これからはデザインの時代だ」をオマージュとして拝借し、そこに「本当の!」という言葉を添えて今、これからの時代感を訴えたのです。

君に託すこと
やがてH.Mさんがキャリアアップして、馬場先輩が言っていた「これからが本当のデザインだ」に代わる・・・たとえば、「やっと始まる本当のデザイン」などと、君のセンスや品性を伺わせ、かつ、その時代の学生に刺さる「棘」を工夫し、君の後輩たちに特講して欲しい!

ところで、戦時中の逃げやすいグッドデザインって、具体的にどんな名称で、どんな意匠で、どんな工夫がしてあったのか?デザインを学ぶ学生としていい機会だから、「曖昧にしないで、きっちり調べてみよう」 それが本当の知識になりデザインの豊かな源になるよ。

Christmas at Miyajima School, 1946
Photo by Australian War Memorial collection
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