2012年10月29日 17:18
「みなさんデザインで選んでいる方が多いんですね」
朝の番組で、「最近流行の電気ケトルが転倒して、幼児が火傷する事故が頻発している」との特集の中での発言です。

T-falより
瞬間に湯を沸かす比較的安価な電気ケトルは簡単な技術でできているために、人気が出るとあっと言う間に多くの企業が参入し、Q・C・Dの戦いの末、コモディティー化しました。普及期の商品だけにJISで安全基準を定める間もなく、転倒し熱湯がこぼれる事故が頻発しているとのこと。
そこで、マスコミ得意の誘導質問の出番です。電気ケトルを選ぶ理由を街角で聞いてみました。その結果は・・・
・デザインで選ぶ
・価格で選ぶ
・湯が早く湧きそうなイメージで選ぶ
・機能や性能で選ぶ
ただし、出勤前の多忙な時間でチラ見ですから正確性を欠いていますが、デザイン云々は確かです。
「みなさん、インテリに合わせてデザインで選ぶ方が圧倒的に多いんですねぇー」
「お湯が早く湧きそうなイメージで選ぶ理由の順位が高いですよ」
これはいけません。ハイハイする幼児の力で簡単に倒れるケトルは、まるでデザインを優先し安全性に配慮を欠いているような印象を残し、電気保温ポットのようにJISが整備されるまでは、使う側が智恵を発揮し上手に使うという、いかにもNHKらしい賢い消費者情報提供で結びます。これ自体はとてもいいことですが・・・。
しかし、何かがおかしい?
普通の生活者は、この情報を何も疑問に思いません。だって、"デザイン=スタイリング"と言う社会の暗黙知を前提としているからです。「いや、デザインは色と形のことじゃないんだ!」なんて反論できるわけがありません。
下手をすると、肝心の安全機能や性能をおろそかにして、売るためにデザインにかまけている商品が多いから、目先のデザインに目を奪われてはいけないよ!と伝えているように受け止められます。ここでも、機能と性能に対立するデザインと言う構造を前提として情報提供をしている姿が見えます。
これじゃいくら言っても・・・
日々、中小企業の経営者、商工行政等の方々、支援機関の人たちに、デザインは最中の皮じゃないですよ。機能、性能、心地よさ、使い勝手などなど、良い製品を構成するすべての要件を高度にまとめ、魅力的な商品に仕上げる考え方がデザインで、熱湯がこぼれるケトルは、デザインされていない商品なんですよ!と言っている傍から、ニコニコしながら、正しい報道機関であると信じ知識や見識を高めてくれるNHKが、親切に僕の努力に足払いをかけてくれています(苦笑)。
新しい商品は智恵が及ばない部分があって当然
電気ケトルなど新しい商品は智恵が及ばない部分があっても仕方がない。これは乱暴に聞こえるかもしれませんが、僕は当然だと思います。想定外(あまり使いたくない)の使い方がされ、人間の持っている注意力を発揮して道具を使いこなす、知識や工夫があって、新しい未熟な商品たちは完成度を高めて行きます。車やバイクはみんなそうでした。消費者があまりのも考えなくなり、一方的にものづくり側だけ攻めるのは問題です。その結果、どんどん開発者が委縮して、企業が面白味のない商品ばかり作るようになってしまいます。日本の車がつまらなくなっているのも、それが原因しているかもしれません。みなさん、もっと活き活きとしたモノづくりを応援するために、僕等も生活達人になって日本の意欲的なものづくりを応援しましょう!
生活達人になってモノづくりを元気にしよう
我田引水ですが、クラシックカーは、クルマの匂い、音、振動、熱、などなど、五感を研ぎすませ乗る楽しみを堪能させてくれます。多くに人はそれを「不便」と言います。いつかそんな道具とデザインと使い方について話をしてみたいと思います。
山形新幹線「つばさ」車中にて
朝の番組で、「最近流行の電気ケトルが転倒して、幼児が火傷する事故が頻発している」との特集の中での発言です。

T-falより
瞬間に湯を沸かす比較的安価な電気ケトルは簡単な技術でできているために、人気が出るとあっと言う間に多くの企業が参入し、Q・C・Dの戦いの末、コモディティー化しました。普及期の商品だけにJISで安全基準を定める間もなく、転倒し熱湯がこぼれる事故が頻発しているとのこと。
そこで、マスコミ得意の誘導質問の出番です。電気ケトルを選ぶ理由を街角で聞いてみました。その結果は・・・
・デザインで選ぶ
・価格で選ぶ
・湯が早く湧きそうなイメージで選ぶ
・機能や性能で選ぶ
ただし、出勤前の多忙な時間でチラ見ですから正確性を欠いていますが、デザイン云々は確かです。
「みなさん、インテリに合わせてデザインで選ぶ方が圧倒的に多いんですねぇー」
「お湯が早く湧きそうなイメージで選ぶ理由の順位が高いですよ」
これはいけません。ハイハイする幼児の力で簡単に倒れるケトルは、まるでデザインを優先し安全性に配慮を欠いているような印象を残し、電気保温ポットのようにJISが整備されるまでは、使う側が智恵を発揮し上手に使うという、いかにもNHKらしい賢い消費者情報提供で結びます。これ自体はとてもいいことですが・・・。
しかし、何かがおかしい?
普通の生活者は、この情報を何も疑問に思いません。だって、"デザイン=スタイリング"と言う社会の暗黙知を前提としているからです。「いや、デザインは色と形のことじゃないんだ!」なんて反論できるわけがありません。
下手をすると、肝心の安全機能や性能をおろそかにして、売るためにデザインにかまけている商品が多いから、目先のデザインに目を奪われてはいけないよ!と伝えているように受け止められます。ここでも、機能と性能に対立するデザインと言う構造を前提として情報提供をしている姿が見えます。
これじゃいくら言っても・・・
日々、中小企業の経営者、商工行政等の方々、支援機関の人たちに、デザインは最中の皮じゃないですよ。機能、性能、心地よさ、使い勝手などなど、良い製品を構成するすべての要件を高度にまとめ、魅力的な商品に仕上げる考え方がデザインで、熱湯がこぼれるケトルは、デザインされていない商品なんですよ!と言っている傍から、ニコニコしながら、正しい報道機関であると信じ知識や見識を高めてくれるNHKが、親切に僕の努力に足払いをかけてくれています(苦笑)。
新しい商品は智恵が及ばない部分があって当然
電気ケトルなど新しい商品は智恵が及ばない部分があっても仕方がない。これは乱暴に聞こえるかもしれませんが、僕は当然だと思います。想定外(あまり使いたくない)の使い方がされ、人間の持っている注意力を発揮して道具を使いこなす、知識や工夫があって、新しい未熟な商品たちは完成度を高めて行きます。車やバイクはみんなそうでした。消費者があまりのも考えなくなり、一方的にものづくり側だけ攻めるのは問題です。その結果、どんどん開発者が委縮して、企業が面白味のない商品ばかり作るようになってしまいます。日本の車がつまらなくなっているのも、それが原因しているかもしれません。みなさん、もっと活き活きとしたモノづくりを応援するために、僕等も生活達人になって日本の意欲的なものづくりを応援しましょう!
生活達人になってモノづくりを元気にしよう
我田引水ですが、クラシックカーは、クルマの匂い、音、振動、熱、などなど、五感を研ぎすませ乗る楽しみを堪能させてくれます。多くに人はそれを「不便」と言います。いつかそんな道具とデザインと使い方について話をしてみたいと思います。
山形新幹線「つばさ」車中にて
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コメント
スタイヤー | URL | h9jd6YzI
ケトル
お世話さまです。私もこのT社さんのケトルを使っています。うちはキッチンの上で使用していて、子供たちには触らせない様にしています。少しプラスチックの臭いがお湯に移ることが難点ですが、少し気をつければこぼれて火傷といったことはないかと思ってました。このような日常品は気をつけて開発しなければなりませんね。
( 2012年10月31日 20:15 [Edit] )
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