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デザインの行方 19

2012年08月08日 18:32

シリーズが長くなって来たのでちょっとおさらいしましょう。

大企業で他の部門とやり合い開発の方向性を先導できるプロデュース型デザイナー
企業のシーズを理解し他産業と協業しつつ新事業を創造するデザイナー
医療・科学の先端を理解・活用してプロダクトとサービスに具現化するデザイナー
製造・販売など異なる産業の垣根を越えて新たなビジネスを創出できるデザイナー

ここまでお伝えしてきました。今回は・・・
5意欲のあるベンチャービジネスを感性で支援できるビジネスデザイナー
です。ちなみに・・・

6地方中小製造業の経営を理解しつつ事業構想とデザインを発想できるデザイナー
7伝統工芸産業のシーズをビジネスに結びつけ地域を活性化できるデザイナー
8農業、水産業、林業など一次産業をデザインの視点で復活するデザイナー

・・・と続く予定です。

デザイナー進化5
今日のテーマは、“意欲のあるベンチャービジネスを感性で支援できるビジネスデザイナー”です。

妄想を夢に変えカタチに表す力
SONYもHONDAも(この2社はいつも引き合いに出されますね 苦笑)、加えAppleも、言ってみれば当初はベンチャーでした。ガレージのような狭い場所で、創業者の危なっかしい“誰も見たことのない妄想”からビジネスが始まります。僕が始めたデザイン業も、途中でゲーム機器の開発と製造を目指し(ブログ記事「そして独立へ」参照)ベンチャーキャピタルから融資を受け、本格的に開発会社になろうとしたことがありました。今だから言えますが任天堂のファミコンの出現が計画をあきらめさせました。

zaxxon.jpg

ファミコンはグッドビジネス&グッドデザインだった
本体とゲームカセットで構成されたデザインは、ファミコン本体のプラットフォームに接続するプロトコールを公開し、サードパーティーがソフトを開発。協業して市場を創作すると言う、アップルビジネス(と言う言葉があるかどうか?)の先駆者でした。
単品のゲーム機を作るビジネスは、開発速度、市場占拠、顧客ご利益のどれ一つとっても勝てません。後になって成功の秘密を探れば、「なーんだ」、と誰で理解できる種明かしが待っています。そのタネを察知してビジネスを成功に導くパートナーとしてデザイン業が頑張って欲しい!と思うのが今日のデザイナー進化5です。それは経営者になろうとするビジネスパーソンの妄想を、夢に育て実現化に向けて支えるデザイナーです。

デザイナーの力は?
僕はこの仕事をしていて、デザイナーが持っている力の中で捨てたものではないと思うのは、夢を語る人(経営者、もしくはそれを目指す人)の話を聞く力だと思っています。

これは常にクライアント(依頼者)の触ることも見ることもできない考えを、見えるカタチにする仕事で鍛えられる力だと思っています。中でも、これは本物だ。あるいはちょっと違うけど本質はついている。と思った時に、素晴らしくいいアウトプットが湧き出てきます。その間には自分独自の濾過器(リテラシー)があって、依頼者の言葉の意味を再編集するのですが、そのアウトプットを見せた時「あー、それそれ!私が言いたかったことはこれなんだ!」と、まるでその人が考えたオリジナルである如く受け入れられた時が最高のデザイン仕事です(にんまりです)。

過去にない新しいビジネスプランを見聞きし、再編集し、当然の如くこうなる!と、誰でも納得するデザインに表し、ベンチャーキャピタルなど金融を説得。あるいは協業企業協力を募る。また仲間に具体的な目標を理解させ、ベンチャー経営者の協力者になることは、デザイナーの力を発揮できる分野です。

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こんなカタログを創り融資していただく活動の協力をしました

弁理士の協力がビジネスにしてくれる
しかし、ベンチャービジネスは兎角資金に窮します。だから十分なデザイン報酬を得ることが困難です。それがデザイナー進化を拒むのです。しかも、僕等にも弱点があります。それは、契約、権利、法律などに弱いことです。デザインとは、創作行為なのですがその価値を自ら経済的な価値に表し、正当なビジネスを創ることに疎いのです。ベンチャービジネスも新しい価値を創作するのが目的ですから、双方とも似た者同士のところがあり、一時の熱い夢に共感した者が、冷静なビジネスマップを得かけないこともあります。そんな時に弁理士という専門家が必要だと、経験上実感しています。日芸で僕が教えている学生と、中央大学法学部 峯先生のゼミで合同授業を行っているのはそんな意図があってのことです。

デザインビジネスの計画を整えつつ、ベンチャービジネスのデザインをする!これはこの国に絶対必要なデザイン進化です。

つづく
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