FC2ブログ

デザインの行方 9

2012年04月18日 08:00

このシリーズは、日本の産業進化にデザインが果たす役割を探究することが目的です。
最初は、産業の発展と共に歩んできたでデザインの歴史を辿りました。その次は、一旦デザインの可能性を提示してみました。今日からは、世界との関わりで日本の産業進化のあり方とデザインについて考えてみたいと思います。

「デザイン行方5」でこんな結びを書きました・・・
ちょっと考えればわかるのですが、西欧が成熟社会に移行する過程で、日本に工業化社会が移植され、日本は今の中国のように西欧の工場となり発展したとすれば・・・。そうです!日本も同じように成熟社会に向かう過程で、アジアの国々にものづくりを指導し、消費する国家、あるいはお得意様である欧米の中継基地として利益を得る仕組みを作ろうとしたのです。しかし、その行為は同時に東アジアを日本のライバルに育てる行為でもありました。その優等生がサムスンとLG電子なわけです。
見方を変えれば、それは、世界が順番に工業化社会によって豊かさを手に入れるプロセスなのです。だから悲観してはいけません。これから日本は新たな進化モデルを創ればいいだけです。


しかし、この結論が、あまりにも牧歌的で、如何にも日本人的なお人好しさが発した言葉だった!と言うことが身にしみます。世界はもっと想像以上に厳しかったんですね。

工業化社会の教師が牙をむく
これから「進化」すればいいと言っても、20年にも及ぶ日本の休息は、あまりにも長過ぎました。その間に欧米は新たな産業の進化モデルで「Japan nothing」から「Japan passing」と言う世界構図を創りました。日本の工業化の教師だったアメリカは、自国優位のオープンイノベーション戦略により、NIEs/BRICsを抱き込み、日本産業衰退シナリオを開始したのは、もうずいぶん昔の話になります。

工業化社会の弟子が圧倒的速度で迫ってくる
中国と東アジアは、日本型工業モデルを下敷に、経営レベルでデザインを取り込む「デザイン優先経営」を発明し、アジア工業新興国モデルに仕上げつつあります。やがてこのモデルはポスト東アジアの工業新興国に伝播すると思います。その理由は、政府、財界、教育界が一体となって、デザイナー教育を組み込み、自国の工業化社会を優先できる“まだ若い社会”だから可能なのです。僕等がかつて富国強兵を掲げて殖産興業を起こした明治時代のように、明らかな成功イメージを「坂の上の雲」として共有し僕等を追い上げてくるのでしょう。

教師と弟子の挟間で描く日本の進化モデルとは?
そんな世界経済の構図の中で、いったい僕等はどんな進化シナリオを描いたらいいのでしょうか?今一番怖いのは、日本のものづくりの敗戦という時代の空気感が出来上がりつつあることです。アジア諸国に日本型工業社会を譲り渡した我々に必要なことは、成長と発展という従来型の未来像ではない、成熟した社会が生みだす新たな工業化社会への進化であり、日本型産業イノベーションです。

産業の成長期にはデザインがリードし、発展期にはデザインが下支えとなりました。今迎えている成熟社会の工業モデルの創作期には、再びデザインが先導的役割を果たすことが自然のような気がしてなりません。

・産業界は横並びの競争をやめて相互につながり国際競争で勝つ戦略シナリオを創る
・デザインは事業そのものをデザインする力を持ち活動する
・教育界は旧来型デザイナー育成から事業構想を描けるデザイナーを育成する

次回からぼちぼちアメリカのヤリくち(苦笑)を参考にしつつ、日本の進化の行く末をデザインの立場から検証(妄想 笑)して行きたいと思います

まだつづく・・・。
スポンサーサイト





コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)

    トラックバック

    この記事のトラックバックURL
    http://crewdesign.blog137.fc2.com/tb.php/160-475af86d
    この記事へのトラックバック