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デザインの行方 8

2012年04月17日 08:00

デザインのプロフェッショナル性が変質する
企業は海外生産を加速するのは当然ですが、日本の産業力を維持し強化するためには、海外で稼いだお金をもとに、国内では“産業と事業の元ネタをつくるビジネスを展開”しなければなりません。
さあ、そうなると!“産業と事業の元ネタをつくるビジネスを展開に呼応するデザイン”としてスキルアップし、期待に応えるのがデザイナーの職業意識です

そのスキルは、今までのデザイナーの必須条件ではなかったかもしれません。しかし、これからは必要なのです。ですから、デザイナー自らが、学校や先輩たちが教えてくれなかったデザインの新たなプロフェッショナルスキルを開発しなければなりません。そうしなければ、日本における新たなデザイン需要を起こせないという結論になります。企業内デザイナーも、デザインビジネス事業者も仕事がなくなるのです。厳しいですね。

デザイン教育維新が必須
問題はもっと先のことです。これからデザイナーになろうとする学生に、産業界で現在進行中の進化実態を教え、進化に必要な新たなデザインプロフェッショナルスキルを誰がどのように教えるか!という重大課題です。

企業が従来型ものづくりで成長発展するのであれば、従来型のインダストリアル(プロダクト)デザイナーの教育プログラムを、経験豊かな教師が周知を集め、強化・改善し対応すればいいのですが、進化と言うのは過去の経験が生かされない、異次元のステージに登ると言うことで、そうはいかないのです!事態は非常に深刻だと感じています。

産業とデザインの所轄官庁は経済産業省で教育は文部科学省です。日本の産業進化とそれに必用な教育改革については、省庁間の戦略的な事業連携が欠かせませんが、この国の「カスミガセキ」という住人は、僕等が理解不能な独自の頭脳と目的意識を持っていて、しかも仲が悪く(苦笑)連携など100%期待できません。ですから現実にビジネスと教育の両方に関わっていて、困っている人間が解決するしかないのです。この解決の具体的処方は今明確には言えませんが、実験中であることだけ申し上げておきます。

デザインの仕事は山ほどある
これからのデザイナーを潜在的に待ち望むクライアントは、先端技術に関わる産業だけではなく、普通のモノづくりは勿論、伝統産業も未来の可能性を持ったクライアントです。日本のいたるところにクライアントが新たなデザイナーの訪問を待っています。

先端技術のハイテクは短時間で一般化される宿命を持っていますが、伝統技術のローテクは、長い時間と多くの人々の工夫を集積し、高度な人の技が組み込まれていて、小さな産業なだけに簡単に海外に移転されません。そこに高い目標と見識=ハイマインドを備えると、とても強く魅力的な商品とサービスが生まれます。そこにはデザインの働き場がたくさん用意され、日本の優位な産業として再生される可能性を秘めています。

デザイナーを心待ちにする人々の門戸をたたこう!
僕なりに未来のデザイナーの訪問を待ち望んで絵いるクライアントをあげてみます。どうか参考にしてください。

・大企業で他の部門とやり合い開発の方向性を先導できるプロデュース型デザイナー
・企業のシーズを理解し他産業と協業しつつ新事業を創造するデザイナー
・医療・科学の先端を理解・活用してプロダクトとサービスに具現化するデザイナー
・製造・販売など異なる産業の垣根を越えて新たなビジネスを創出できるデザイナー
・意欲のあるベンチャービジネスを感性で支援できるビジネスデザイナー
・地方中小製造業の経営を理解しつつ事業構想とデザインを発想できるデザイナー
・伝統工芸産業のシーズをビジネスに結びつけ地域を活性化できるデザイナー
・農業、水産業、林業など一次産業をデザインの視点で復活するデザイナー

みなさんいかがですか?実はこれらの仕事は僕自身が何らかの形で実際に経験した仕事の中身を紐解いて、抽象的表現に言い換えたものです。ですから夢物語ではなく実際に今日から必要なプロフェッショナルスキルなのです。さあ、これをどのようにして教育プログラムにして教えるか!?これが問題です。このシリーズの後半では、それらのデザインスキルを解明し、それを育てるプログラムの中身に触れて行きたいと思います。

どうでしょうか?今、この国の産業が、再び元気を取り戻すための有効な手立てを心待ちにしているとしたら?敗戦後の復興に力をつくした図案家や工芸家の先輩たちが、慣れない工業意匠に力を注いでくれたように、新しい教育をうけた未来のデザイナーが育つまでの間、僕等が一所懸命経営者や先端ビジネスパーソンたちと、手を携えて頑張ってみませんか?

つづく
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