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デザインの行方 5

2012年04月11日 08:00

「デザイン優先経営」は日本の経営者が取りこぼした
平成元年1989年には名古屋国際デザイン博が開催されピークを迎えます。六本木のアクシスでは毎週デザインのイベントが開催され、オープニングパーティーで仲間とグラスを傾け、深夜帰社した後に徹夜で仕事をこなしたことが懐かしく思い出されます。

designersnight.jpg
デザイナーズナイト

しかし、結果的にその活発に見えた社会活動は“経済の余裕の中で許されたもので、”デザインに関心のある経営者を、会議の場に引き出したものの、デザインが持つ本質を経営者が理解して、未来に必要な産業進化を起動させるまでに至らなかったのです。

韓国の「デザイン優先経営」は本来、日本の経営者がバブルの後に取り入れられることができる優先的地位にあったはずです。繰り返しになりますが、かえすがえす残念でたまりません。日本が第二の敗戦を迎えたような気分でした。

経営言語と経営の価値観でデザインを説こうとした
僕は一方で、「経営言語」でデザインを説いて、経営者がデザインを経営資源として活用できるようにする苦心をしていました。デザイナーはいくら良いことを言っていても国家資格などなく、経営者から見たら権威がありません。それならいっそ、“中小企業診断士”の資格を取って、経営者が一定の敬意を表すデザイナーとして、経営者を口説こうと真剣に考えていたことを思い出しました(苦笑)。それが今に続く、僕のデザインマネージメント研究に至るわけです。「デザインを経営に有効活用する」これは埼玉県でデザインマネージメントを研究する会で代表幹事を務めた時の合言葉でした。

「軽薄短小」は日本の進化を導く希望の言葉だった?
当時この言葉がなんとなく嫌いでした。重厚長大(産業)に対する造語ですが、きちんと日本の未来を描いていた言葉です。エコなものづくりに通じ、小さなマーケットに、誰でもが自由に創造性を発揮して、適正なビジネスを始めることができる。狭小な国土と資源の乏しい私達が、もっとこの言葉を洗練させ、新しい国の産業と生活モデルを求めていくのに正しい言葉だったと・・・今更ながら、もっと考えれば良かった!と、また後悔しています。でも生真面目な日本人として「軽薄」という音の響きが許せず、口にしなかった記憶があります。

長い休息の始まり
1991年、国内でのものづくりが引き合わなくなった日本は、安価な労働力を求め安易に海外にモノづくりを移転します。長い時間をかけて、私達は目先の利益を確保するために、じっくり、確実に、自らの工業化社会の未来を、先細りさせる活動を始めました。

設備には生産技術がくっついて、人材には開発設計技術が込になり、
ご丁寧にマーケティングとデザインまで“ものづくりを全てワンセット”にして
どうぞ使ってくださいと言わんばかりにアジアに移転させました。


欧米から学んだ工業化社会で豊かになった日本
工業化社会は戦後、ヨーロッパからシルクロードを飛び越え大陸からこぼれた端っこに、同時にアメリカから太平洋をひとっ飛びして、東洋の入口に移植されました。自由主義社会の砦を守ることと引き換えに、日本は世界第2位の経済国家の地位を手に入れたと考えられなくもありません。そして世界中が驚く日本型産業モデルへと洗練させ、有史以来こんな短時間で敗戦から立ち直り、豊かな国家を築いた例はないと言われたのです。

工業化社会モデルはシルクロードを遡る
ちょっと考えればわかるのですが、西欧が成熟社会に移行する過程で、日本に工業化社会が移植され、日本は今の中国のように西欧の工場となり発展したとすれば・・・。そうです!日本も同じように成熟社会に向かう過程で、アジアの国々にものづくりを指導し、消費する国家、あるいはお得意様である欧米の中継基地として利益を得る仕組みを作ろうとしたのです。

LG전자, MWC 2012 현장 스케치

しかし、その行為は同時に東アジアを日本のライバルに育てる行為でもありました。その優等生がサムスンとLG電子なわけです。見方を変えれば、それは、世界が順番に工業化社会によって豊かさを手に入れるプロセスなのです。だから悲観してはいけません。これから日本は新たな進化モデルを創ればいいだけです。

つづく
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