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デザインの行方 4

2012年04月10日 08:00

絶好調!Japan as number one!
ハイテクとハイセンスデザインの組み合わせにより、日本は世界をMade in Japanプロダクトで席巻しました。日本の経営者たちは、あまりにも上手く日本型工業モデルの機能が発揮されたために、デザインを、付加価値を生み出すには、とっても便利な技術として珍重し始めるのです。つまり、あたり前の製品でも、いいデザインを施すと価値が向上する!と言う誤解です。でも、瞬く間に、日本がNo,2の経済力を持つ国になると、インハウスデザイナーは勿論、僕のようなデザイン事務所もモデルチェンジの仕事と新型機種のデザインワークがどんどん膨張して、もうそんなことを言っていてもはじまらない!ただひたすら新規性のある色や形をデザインしていったのも事実です。アメリカは経済が弱体したこと眩ますためにジャパン・バッシングで、デトロイトが日本車壊しを盛んにやったのもこの時期でした。

ambuyam.jpg

「色と形」の後釜がデザインの「付加価値」になる
今になっても、マスコミに登場する経済学者が、したり顔で「デザインは付加価値を生み出す強力な武器になります」などと発言しているのを聞くと、1980年の古臭い話を聞かされているようで、椅子からずり落ちそうになります(苦笑)。デザインは色と形だと証明するために、付加価値なんて言う正体のはっきりしない、曖昧な定義の経済用語を持ち出します。まるで“デザイン=付加される価値”「おまけ価値」のような解釈までまかり通るのです。このさい、はっきり言っておきます!

デザインが創造するのは、新しい価値そのものなんですよ~!!!

バブルの余裕でデザインの上っ面を語った
イタリアのデザイン集団「メンフィス」が、ポストモダンというプロダクトデザインが提唱されます。バブルの豊富な建築予算をもとに、東京中に変てこなビル(装飾的な)がたくさん出現しました。でも今考えると真剣にポストモダンデザインを突っ込み、日本流にアレンジすれば良かった・・・と思います。

Tokyo. The Asahi building
Photo by isidro2007

そのころからでしょうか、デザインについて論ずる場は、企業の垣根を越え、デザインのジャンルも越え、TDN(東京デザインネットワーク)を皮切りに、バブル時代の余裕の中で盛んに起きてきました。これはとてもいいことでした。僕も当時真剣にデザインの可能性を求めて社会的なデザイン啓発活動に加わったものです。でも、これも経営者を巻き込んで、日本型産業モデルをつくり替えるところまで行けませんでした。
残念です!デザイナーはあまりにも経済とビジネスに疎く、理想を現実のビジネスに応用展開する具体策とプレゼンテーション能力を持たなかったのです。

社会貢献、メセナ、フィランソロフィーなど、どことなく高みから見下ろすデザインに終始し、経営者もデザインの上辺を語ることが「一流」のような錯覚に陥っていました。車はシーマ現象などと言われ、3ナンバー車が飛ぶように売れました。シリーズで一番高いグレードの車から売れていくのもこの時代の特徴でした。猫に額ほどの土地持ちと、NTTなどの上場株を2~3株持っていれば億万長者(苦笑)!そんなアホな時代で、日本が一番醜かった時代だと思っています。
cima_1st.jpg
衰退の序曲
これがやがて泡のようにはじけて無くなるのです。ベルリンの壁、ソビエト連邦、そしてバブル経済と言う、3つの崩壊を皮切りに、やっと共産圏から目を離し、自国の利益を考える余裕ができた“アメリカの逆襲”が始まります(ヤングレポートからパルミサーノレポートによるアメリカの復権)。日本型産業モデルが旧型モデルにされる幕開けを迎えます。

実はこの頃、第一線で活躍している日本人デザイナーが、韓国の財閥系企業に招聘され、日本のデザイン開発実体を経営者に話をするのです。韓国の経営陣は、日本躍進の正体を暴こうと、週末の2日間、缶詰状態で真剣にデザイン講話を聴くのです。その結果編み出したのが「デザイン優先経営」です。日本の経営者とデザイナーがこの時、手を打っていたら、サムスンとLG電子の躍進はありません。時代に「if」はないのですが・・・。

つづく
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    絶好調!Japanasnumberone!ハイテクとハイセンスデザインの組み合わせにより、日本は世界をMadeinJapanプロダクトで席巻しました。日本の経営者たちは、あまりにも上手く日本型工業モデルの機能が発揮されたために、デザインを、付加価値を生み出すには、とっても便利な?...