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さあ、これから始まる伝統づくり

2012年02月09日 14:05

今、僕はいくつかの伝統産業の仕事をさせていただいています。仏壇、節句人形、打刃物、指物、和紙、そして日本酒です。現状いずれも厳しいものがあります。しかし、決して未来を悲観していません。理由は、日本が西欧の生んだ産業モデルをキャッチアップして、戦後復興を果たすために忙しすぎて、先人たちがつくってくれた良いものごとを、まともに見つめる余裕を持てなかっただけです。311以降、僕等のマインドが大きく転舵しました。一番落ち込んだ底から這い上がれる時代になったからです。

新興国に、私たちが磨き上げた日本型産業モデルを奪われた意識を、先輩としてバトンタッチする意識に変えましょう。これからが、“日本発想の産業モデルを創作する時代”です。そこで!数百年の歴史があり、工業化のための下支えになり素晴らしい「技」を提供してくれた伝統産業を、もう一度きちんと洗い出し、私たちのものづくりを復興する機会にしましょう。

しかし、単に伝統の復活と言うノスタルジックではなく、新たな工業モデルの下支えにするのでもなく、伝統産業と、これからのものづくりの相乗効果を発揮するような、 日本発の21世紀型産業モデルを発想したいものだと思っています。そう考えるとワクワクしてきませんか?伝統は革新を重ねることで、新たな魅力を生んで、また伝統を創るのだろうと思います。

初節句とファーストベア
そんな中で、僕が関係している節句人形の話を少ししたいと思います。節句は日本の暦の一つで、伝統的な年中行事を行う季節の節目です。今では、五節句の中でも、3月3日桃の節句と5月5日菖蒲の節句は、それぞれ女児と男児の節句として、「初節句」を筆頭に、祝う寿ぐ風習は、各地でしっかり生きています。そのシンボルが雛人形であり武者人形です。

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株式会社吉浜人形ホームページより

同様に欧米では、その人が初めて手にするテディベアのことを、ファーストベアと呼ぶようです。赤ちゃんが生まれると、初めての友達としてテディベアを贈り、小さなころから自立心を育てようとする欧米思想から来ているのでしょうか?余談ですが、僕等夫婦は数年前に、息子の結婚式のクライマックスで、3400グラムのテディベアをもらいました。還暦を迎えた夫婦のファーストベアってわけです。親を泣かせて楽しもうと言う昨今のイベントに巻き込まれました(苦笑)。それは同時に子育てを終えた“老夫婦育て”のつもりでしょうか?昨晩、ひとりでそっと抱いてみたら、ずっしりと手に感じる重みはそれなりの感慨を呼ぶものですね。欧米では、おじいさん、おばあさんになっても隣にはテディベアがいる、そんな風景がよく見られるそうです。節句人形も頑張れる余地が有りそうですね。

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テディベア市松
ここに一体の市松人形があります。これは愛知県高浜市で事業を営まれる株式会社吉浜人形さんが制作した、ドイツはシュタイフ社ブランドのテディベア市松人形です。アンゴラモヘアでできたベアが身に付けている着物は正絹で仕立てられ、正式に着つけられています。1000体が制作され、ドイツでは大好評でおおよそ300体があっという間に売れてしまったそうです。今、クルーの大切なマスコットになっています。

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代表取締役社長 神谷毅さんは語っています。
・・・日本における節句行事は親から子への想いを贈る行事であり、世界に誇れる文化である。必ず世界のマーケットに通用します。・・・テディベアには「ファーストベア」という「初節句」と非常に近い特性をもっている事から、日本文化との融合を提案し、ドイツ本国の販売において大成功しました。書籍を輸出する際に必ずするのが「語訳」です。文化をお出しする際にも必ず「相手に受入れて頂ける解釈」が必要であると確信しています。その後に本物志向が生まれ、その土地に対し、ありのままの形が受け入れられるのが一番文化を定着させる為の近道であると確信しています。

本物は世界中で通用する。しかし、それをそのまま押しけるのではなく、「語訳」が必要だ!受け入れられた後に生粋のものを示す。伝統産業の復活に対する「極意」を教えていただきました。
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