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石川県のグッドデザイン 2

2010年12月13日 09:00

サミッター  株式会社ニシムラジグ
もうひとつの事例が、同協会会員企業の(株)ニシムラジグが開発した“サミッター”という加工ジグで、文字通り、加工途中のワークの直角頂点を簡単に検出するジグです。

nishimura01.jpg

加工機械からワークを外すことなく、空間上にしか存在しないXYの原点を、時間ロスを最小限にして求めることができるので、時間と神経を浪費するワークの再セットが不要になります。製造業にとって時間=利益そのものです。いわば、“計測の時間を短縮しつつ、精度を作りこむ製造業の利益づくり”のような商品です。

見た目がとてもチャーミングで、社長の茶目っ気でしょうか、パッケージに宝石の指輪ケースを利用しているんです。こんなセンスが中小企業にもっと欲しいですね。

サミッターはトヨタをはじめ、多くの製造業で売れ続けている素晴らしい商品です。これも2009年度グッドデザイン賞を受賞しました。

この商品のデザインポイントは、加工、計測、加工、計測の繰り返しで、狙った精度を作り出す“機械加工行為自体にある課題を実感している当事者“だからこそ生み出せたデザインです。

■問い
これを参考に自社のデザインアプローチを考えるとどうなるでしょうか?


本来はデザイナー自身が加工作業者であれば最高ですが、そうは行きません。ここもやはり、以下のような手順で考えることが必要です。その結果、デザイナーが「現場」を深く理解し、設計者と異なる経験とスタンスから新たな解決策を提示できるようになります。

・徹底して加工(生産)そのものの行為と流れを熟知すること

・テーマを「ジグ」のデザインという「モノ」のとらえ方をしないこと

・“加工→計測という仕事の流れ”をデザインする「コト」をテーマすること

・「コト」を「モノ=カタチ」のデザインで表現すること


ここでも結果的に、デザインは単なる「モノ」の形を生み出すことをテーマにするのではなく、「コト」をテーマに据え、仕事の流れをデザインする=「ING DESIGN」という姿勢が、新たな価値を生み出すデザイン行為であることがわかります。

次回は、「生産財」のデザインはどうあるべきか?消費際のデザインと比較しながら、「デザイン姿勢のまとめ」に入りたいと思います。
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