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和製オープンイノベーション

2012年02月02日 08:00

「ガス式熱バサミ」は、いったいどのようにして開発されたのか? 
この点が最も興味を抱いたところでした。外山刃物さんは、創業は江戸時代の文久年間で、現在は「宗家秀久」というプロの方から絶大な信頼を寄せられているブランド企業です。10数年前、僕が燕三条地場産センターに、アドバイザーとして通い始めて間もなく、ある商品デビューでご相談に来られたと記憶しています。知る限りでは、単独でこのような商品を開発するシーズをお持ちではありません。
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外山刃物ホームページより

和製オープンイノベーションに大拍手!
応募登録資料には、明治31年創業の中島銅工株式会社・ガス式コードレス半田ごて(コテライザー)を製造する企業とのコラボレーションによって開発したことが記述されていました。ニイガタIDSデザインコンペテションの特徴は、審査委員賞と言うタイトルの「賞」があります。この商品の優秀性は全ての審査委員が認めるところでしたが、僕にとっての一等賞が「ガス式熱バサミ」でした。理由は、商品の素晴らしさに加え、伝統産業がその枠を超えて、同じ志をもった先端産業と手を携え、顧客のご利益達成のために「協業」したことです。

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刃物の切れ味をひたすら追求して、他社よりも優れた製品をつくる競争も必要です。しかし、それは行きすぎると、競合他社を横目でにらみ、他社よりも一歩首を出す顧客不在の企業間競争の危険性をはらんでいます。1997年。アメリカオープンイノベーションの騎手であったアップル社がiMacを発表した当時のメッセージを、またもや思い出しました。

(前略)これまでのような、横並びの競争の中で周りを見ながら走り、そこから一歩抜け出すことだけを考えていれば良かった時代は終わりました。自分のあり方を主張し、他と違う自分なりの戦い方を明確に持っていなければ戦えないということに、企業も、そして個人も気づいています。(後略)

「ガス式熱バサミ」はまさにApple社の如く、競合のいない自ら作った「ブルーオーシャン」を気持ちよく泳ぐビジネス展開がなされる事を心から祈念します。

コンセプトを共有して市場を創る

僕も同じ新潟県(長岡)生まれですから、独立心旺盛なだけに、それが災いして誰かと助けあうことが苦手な越後人気質をよく知っています。まして江戸時代から続く伝統産業であればなおさらです。それが、同じビジョンを共有しモノづくりや商いの常識が異なる障害を乗り越えて、商品開発を行った行為そのものに、大きな拍手と「賞」を差し上げました。これは、日本を窮地に追い込んだアメリカの“オープンイノベーション戦略”です。これこそ、日本の地方中小製造業が生き残る手立てだと確信しています。
僕が山形で行っている、住宅と仏壇(伝統産業)を「つなぐ」事業も同様です。

諦めない心が出会いと成功をもたらす
外山秀久社長にお聞きしたところ、このプランは外山社長の発想で、平成5年、「(財)にいがた産業創造機構(NICO)」が主催する「「ゆめ・わざ支援事業」において、新潟県の工業技術センターの指導受けながら開発がスタートしたようです。しかし、さまざまな試行錯誤を重ねても、思ったような解決方法に辿りつくこと叶わず、一旦、開発を中断。以来、宿題が頭から離れず、悶々とした日々を送っていたとのことです。

しかし、3年ほど前に外山社長のご友人より「鋏を作ってほしいと言う人がいるのだが・・・」という相談があったそうです。
それが埼玉県ふじみ市の「中島銅工」さんです。中島武士社長ご自身が、園芸趣味のある方で、自社の“ガスコードレス半田ごて”の技術を活かしたいが、ハサミはつくれないと悩み、外山刃物さんは、刃物はお手の物だが熱で断つ技術はないと宿題を抱えていた。この出会いは文句なし!理想の結婚でした。

薄刃に発熱の触媒を仕込んで、切れ味を損なわない刃物を鍛造でつくる。これは大変な苦労だったと素人でも想像に難くありません。開発は見事に成功しました。偶然の出会いのようですが、実は必然なのだと思います。志と欲しい技術を人に語る。日々悩み続ける・・・そうすると解決策の糸口が向こうからやってくる。アイデアが忽然と生まれる。そんな経験が僕にもあります。

「熱で断つ」!これから先が楽しみ
さあ、商品開発の後は事業開発です。事業成功の秘訣は素早い普及と、市場でのデファクトスタンダード化です。どなたか、この可能性に満ち満ちたビジネスパートナーになりたいと思う方はいらっしゃいませんか?「熱で断つ」この働きを応用すると、もっといろんなことが出来そうです。さあ、「発想しましょう!」
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