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未来は・・・つないで創る

2012年01月31日 11:27

50年後には日本の総人口が8600万人になる
2048年に日本の人口は1億人を下回り、2060年には8674万人になるとの試算が、厚生労働省から発表されました。その時、なんと65歳以上の高齢者が40パーセントを占めて3460万人となります。このまま手を尽くさず行くと・・・と言うことですが。少子高齢社会化を、どのようにストップをかけるか?国家存亡の重大な課題です。一方では高齢成熟社会で、活力ある産業を創出できないものか?ぼんやり考えていたところ、膝を打つ情報を目にしました。

「BONSAI」が海外で人気
NHK「クローズアップ現代」で、盆栽がヨーロッパ、アメリカ、アジアでブームを通り越し、ホビー(アート)として定着しつつあると言う特集です。「BONSAI」は海外で国際語となった半面、本家の日本ではお金持ちの趣味か、御隠居さんの嗜みとして衰退しています。

bonsai
Photo by teresafranco

マン盆栽や苔アートなど新しい動きもありますが、ガーデニング市場や菜園づくりのようにマーケット的には今一活気のないのが実情です。

高齢の巨匠が尊敬される
盆栽ビジネスを普及させるため、高松のある盆栽農家経営者がフランスに出かけ、BONSAIセミナーの講師を行っていました。功妙ではありませんが、力強い英語で次のように語りながら剪定鋏をふるっていました。その場は、何と「盆栽大学」と記された看板を掲げた“フランス人盆栽事業経営者のセミナー”です。

正面を決めたたら大切な枝を活かすように細かな枝を切るんだ・・・
大胆に思いきり良く剪定鋏でバチバチ枝を断ちます

樹皮をこのようにはいで・・・
松の樹皮に切れ目を入れた後、バリバリ手で皮を剥いで行きます。フランス人たちは初めて目の当たりにする技に、大きく眼を見張り職人の手さばきを見つめます。
極めつけは鉢から植木をそっくり抜き出して、土を払い、根を露出させ、自然界で雄々しく生きる松の根元の荒々しさを演出します。

「Oh!fantastic!あなたは巨匠だ!なんて見事なんだ、素晴らしい!」
尊敬に満ちた眼差しで、日本から来た盆栽農家社長(盆栽職人)を見つめ、惜しみない称賛の言葉を送ります。
BONSAIはこんなに小さいのに、ダイナミックな自然の情景を居ながらに見せてくれる。日本の素晴らしい芸術だ・・・

と、興奮気味に語っていました。

本当のクールジャパンは高齢者社会が創る!
「はじめは一万円くらいの安価な盆栽から始め、育てる技をレクチャーして愛好家を育て、次に高額な盆栽を勧める」
こう語ったのはミラノで盆栽ショップの経営者です。
僕の想像ですが、そこにはきっと、鍛冶の技で鍛えた切れ味のいい「剪定鋏」陶芸職人が生みだす魅力的な「鉢」ワーキングウエアである「藍染の作務衣」室内で愛でるための「床の間と掛け軸」も必要となります。「盆栽」は、伝統職人のデザインを学ぶ意欲、技法を極める姿勢を加速させます。

盆栽美術館 - bonsai museum
Photo by norio.nakayama
さいたま市大宮盆栽美術館


更に、「盆栽」という植物を海外に輸出するためには、検疫をパスしなければならない大きな課題があります。寄生する害虫や菌の駆除をはじめ、さまざまな管理手法と設備投資などが求められ、農業の高度化に結びつきます。これらは新しい産業としての萌芽に結びつきます。このような活動をリードするのは、経験豊かな高齢職人と、若い技術者のタッグマッチが必要で、とても可能性のある暖かな希望を持たせてくれました。

日本文化が新しい産業モデルと創る
自然に挑戦・克服し快適な暮らしを勝ち取ってきた西洋文化と産業に対して、自然と共生することを旨としてきた日本文化と産業。それが生み出した芸術である盆栽が、今、西洋社会に憧れと尊敬の念を持って受け入れられつつあり、産業として育つ可能性を見せています。

乱暴で事象の一端しか見ていない思考ではありますが、これからの日本産業の未来は決して悲観したものではないし、高齢化社会も希望がないわけではない。若い労働者を基盤とし繁栄してきた西欧産業モデルを、戦後、懸命にキャッチアップし完成の域に達成させた日本が、その成果を工業新興国に差し上げ、新たな産業モデルを創りつつある一例を垣間見た気がしました。優秀な工業製品をつくることだけが日本の再生ではなく、伝統産業と最先端産業が力強いタッグを組んで、世界から尊敬される産業を創る!可能性大です。
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