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生産財にデザインはいらない?

2010年12月06日 17:38

生産財にデザインはいらない?
今まで、消費財のデザインについて事例を紹介しましたから、しばらく生産財のデザインについて話をしたいと思います。

「機能を優先すべきか?デザインを優先すべきか?」
僕がフリーランスデザイナーの世界に入ったころ、生産財メーカーは機能・性能が優れていれば十分で、デザインは飾りだという意識が大勢を占めていました。そのころには真顔で、「機能を優先すべきか?デザインを優先すべきか?」など、会議が紛糾し(僕が勤めていた会社でも、そんなことがありました(笑))。結果は大体、技術の下請け的存在のデザインが折れる(涙)そんな時代でした・・・。

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デザインで付加価値は通用しない?
生産財でも、デザインを導入した(これ自体がおかしい言い方なんですけど・・・)商品が売れると、同じ性能・性能であればデザインされている方が選ばれるという実感が一般的になるのですが、今はそのような認識も時代遅れになりました。
しかし、いまだにテレビの経済番組で、高名な経済アナリストが、ヒット商品をさして「この商品はデザインで付加価値を高めて売れた」などと発言をしています。これらは生産財のデザインに通用しない理屈です。

また、「わが国はこれから人の感性に訴えるデザインを戦略的に使うべきだ」という意見も最近耳にしますが、「モノよりコトが大切」と同じくらい、乱暴で抽象的な表現です。よほど美的感覚が鋭い経営者ならともかく、生産財をつくる社長さんが、「よし!デザインに投資しよう」と決断する力にはなりません。

消費財の現場は暮らしそのものですから、生活者の感覚で課題解決ができますが、生産財のデザインは働く現場を熟知しないと、本当に良いデザインができないんです。良いデザインをする原則をこれからお話しします。

生産財デザインは機能と性能を目一杯引き出す仕事
最初に生産財のデザインが受け持つ役割を確認しましょう。
デザインの役割は、経営者が示す商品のコンセプトの下で、設計者と共に、相乗効果が得られる設計とデザインのコンセプトを、専門家同士協調し創り上げ、目指す機能と性能を目一杯引き出す役割を果たします。そのためには、以下の能力と協力関係を創ることが欠かせないと考えます。

・機器(ハード)が使われる“現場の仕事(ソフト)”を、とことん知ろうとする意欲を持つこと

・設計者と“刺激と好影響を与え合うパートナー”としての能力を持つこと

・設計者とデザイナーが“干渉しあうくらいの立ち入った仕事”をすること

僕は経験上これが良いデザインを開発する必須条件だと思います。ですから依頼者は、デザイナーの腕を試そうとか、丸投げにして何か良い答えを出してもらおうという、お任せ姿勢では決して良い成果を得ることはできません。設計者(企業)とデザイナーの力で、相乗効果を発揮してこそ、経営が目指す目標を、美しい解決策で表現することができます。それが生産財の正しいデザイン開発スタイルです。

つづく
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