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日本酒の頑張り方 5

2012年01月27日 08:00

「千の福めぐり」は、お酒の名前(酒質)を書いていません。
(書いても後で分かるように表示しました)

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何故か?頭の知識で最初から、それぞれに美味しい酒を“分け隔てをして欲しくないから”でした。まず、自分の舌と心で味を感じて、それから、アレっ?この味はどんなお酒なの?って言う具合に、酒質の確認をして欲しいのです。それが自分に合ったお酒と出あう一番いい方法だと思います。

「酒質」を書かない見識
三宅本店さんの開発会議で一番グッときたこと。

「今は日本酒業界全体の危機です。だからこそ、「千福」だけが儲かるかどうかなんてことよりも、酒質と量と価格で争う開発の戦い以外に、とにかく、お酒を口に含んでいただくことを最優先に考えたいと思います。そうすれば、きっと美味しいことが分かっていただけるはずです。」

この心意気と姿勢でした。

だからこそ、酒質をデカデカと表記することをやめて、お酒が心から好きな社員さん・千の福めぐり委員会の思いを詩にして、お酒の特徴を語ることにしたのです。

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「あなたの琴線に触れるお酒を選んでください」と言う思いで・・・。

壱の福 すっきりして つうーと流れる きれいで素直なお酒

弐の酒 ふんわりと 軽やかな香り立つ 華やいだお酒

参の酒 味わいしっかり しみじみ広がる 力のあるお酒


どんなイメージが湧きますか?
種明かしをすると、壱の福は「生貯蔵酒」、弐の酒は「吟醸酒」、参の酒は「純米原酒」です。 お酒を頂くいときに、「さぁ今日は純米原酒を飲むぞ!」なんて思いませんよね。多少お酒の知識がある方は、「この食べ物には○○○が合うかな?」とあたりを付けながら選ぶのだろうと思います。でも、そこまで経験のない方はそれもできない。そうなると、今の私の気分は・・・?日本酒を良く知らないし・・・

すっきりして つうーと流れる きれいで素直なお酒
手始めに、こんなところから始めようかな?と直感的に壱の福を選び、頂いた後そうなんだこれは「生貯蔵酒」ってお酒なんだ!・・・こんな風に自分とお酒の関係をつくるのが自然なのだろうと思います。

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プロダクトアウトからマーケットインへ
酒質を先に提示して選べ!と言うのは「プロダクトアウト」の酒造り。飲む人の気分を先に分かっていて、後から酒質を伝えるのが「マーケットイン」の酒造りです。

まだまだ「千の福めぐり」には、楽しい秘密がありますが、いったんこのあたりで、「日本酒の頑張り方シリーズ」を終えます。この春先から本格発売を予定しているようですから、その時にもっとお知らせしたいモノづくりの秘密をお教えします。お楽しみに!

日本酒の頑張り方 4

2012年01月26日 08:00

日本酒って難しくて選べないよね」
「ワインは魚が白で肉が赤って知っているけど、お酒と料理の相性って言われるとね・・・」
「それに結構いい値段するよね」


Sake Bottles
Photo by wynk

お酒が妙に気位が高い?
こんな言葉を、ちょくちょく耳にします。ちょっと気取った料理屋さんに行くと、お酒のリストがずらっと並んでいて、それがほとんど「特定名称酒」。最近では極端な純米酒信仰で、まるで普通酒が偽物のように扱われ、「うちでは普通酒は扱っていません」なんて、上から目線で若い店主に言われると、ベテランの酒好きは、ムッとしつつ肩身の狭い思いをします。

「今の俺には、お前さんとこの食べ物と、普通酒の燗が絶対合うはずなのに辛いだけの冷やした酒を、くどくど説明して出しやがって、飲み方くらい自分の舌と経験で決めるわぃ・・・。口では、ナ~ルホド、ヘェ―、ソウナンダ・・・。(ココロでは、お金払って飲むオレが面倒くさい講釈聞いて、旨みを殺したひや酒(レイシュって言うんですね)飲まなぁかんのよ)」・・・酔っ払いの愚痴ですな(苦笑)。

全国標準味覚づくり大作戦
純米吟醸、純米大吟醸、どんどんお米を磨いて、炭で濾して雑味(旨味だと思うのですが)を取って、流行り奇麗な酒(扁平な酒だと思うのですが)に仕上げる。結果、全国どこでも「淡麗辛口」なんて四文字熟語のオンパレード!日本中おんなじ味の酒にして、おんなじ味覚の人ばっか育てようと言う魂胆でしょうか?それとも「特定名称酒」が儲かるからでしょうか?その上、舟絞り、あらばしり、冷やおろし、山廃仕込み・・・造りと蔵出しの時期でいろんな呼び名があって、あーなんだか分けがわからない。そうです。もう付き合いきれない!メーカーは日本酒を飲ませたくないんでしょうかねっ!(怒)

sake
Photo by glowingstar

「UMAMI」旨みは国際語
「米国醸造科学者会議」では「うまみ」が暗黙知として認められ、KAIZEN(改善)やMOTTAINAI(もったいない)に並んで国際語になったようです。日本人が日本料理のだしの味や旨みを知っているように、日本酒の旨みをもっと感じるようになったらかっこいいなぁーと思っています。

つづく

日本酒の頑張り方 3

2012年01月25日 08:00

デザイナーズナイトで大好評!
昨年の東京モーターショーに合わせて、世界中から六本木「アクシス」にカーデザイナーが集合しました。15年か20年前は東京モーターショーは世界でトップクラスの元気さで、ジュージアーロ、ガンディー二、ハンスムートさんなどそうそうたるメンバーが集い、グラスを傾けたものです。そこで「千の福めぐり」がデビューです。

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Oh!Fantastic!
海外メーカーのデザイナーの一団が「箱の酒」を手にとって何やら話をしています。
1人がスリーブケースを開けて、中の箱からカップを抜き出し飲もうとしています。「千福」の社員から楽しみ方を聞いていた友人が得意げに・・・

「そうじゃないんだ。こうやってカップを45度回してだな・・・」
「こうかい・・・?」
「そうそう箱のスリットに・・そう!カップのふちを入れ込んでさ・・・」<
「Oh!Fantastic! MASUZAKEだ!」


という感動した大きな声と笑い声が響きます。

日本人デザイナーはさすが几帳面で感性も高く、つつがなく容器をセットして枡酒のように格好良く楽しんでくれました。

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PAT.P Design by CREW
外国人デザイナーや女性に引っ張られるように、多くの方々に試して頂けました


そっと鞄に忍ばせて・・・
ゲストがそっと鞄に中に「千の福めぐり」を忍ばせて持ち帰ったと聞いて、とても嬉しくなりました。同じデザイナーですから理由はよくわかります。多分、週明けのデザインスタジオではこんな会話が始まります。私の願望の勝手な妄想ですが(笑)

「これ何だか分かるかい?」
「へえー、日本酒ですね。なかなか良くできてますよね」
「もう一度、酒に関心を持ってもらう手立てだそうだよ」
「クルマも同じ境遇ですね・・・」
「酒を飲む必然性、車に乗る必然性づくりが必要ってことだね」
「良い「もの」を作るだけじゃ駄目で、良いものが必要になる「コト」づくりですか」


同じ職業の人たちの戦利品になったことは、理由はともかく、「千の福めぐり」の勝利です。
でも、ただの酒好きだったりして・・・。それはそれで、まっいっか(笑)これで需要創りができたと言うことです。

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宴の後で・・・600箱がキレイになくなりました

つづく

日本酒の頑張り方 2

2012年01月24日 08:00

昨年末に軽くご紹介した“日本酒の新しい楽しみ方”を詳しくご案内します。
私が応援している酒蔵はさんは、広島は呉の醸造元「三宅本店」さんで、昭和40年代ころには「酒王」と言われるくらい日本一の石高を記録していました。
「千福一杯いかがですぅ~♪」・・・50歳代以上の方なら、サトウハチローさんが作詞し、ダークダックスさんや佐良直美さんが歌ったコマーシャルソングを覚えていらっしゃると思います。今は千福さんのHPを尋ねると聞くことができますよ。呉の社屋前にあるバス停に差し掛かると、そのメロディーが流れ、今日から封切られた「三丁目の夕日」昭和33年の空気感に触れることができます。

危ない!日本人に日本酒を楽しむ感性が無くなった?
若者はいろいろなものから離れています。特に車離れとアルコール離れが顕著で、とりわけ日本酒離れは著しいものがあります。理由は様々ですが「飲んだことがない」と言う理由が決定打で、これは如何ともし難いものがあります。ファストフードの影響でしょうか?日本酒を美味しいと感じる“日本人独特の味覚感”が未成熟で、開発される機会がないのです。今は、北米、ヨーロッパ、ロシヤ、中国で「SAKE」「SUSHI」と共に大人気なのです。日本人は元々「旨味」という独自の味覚を持っていて、今は「UMAMI」と言う言葉が「米国醸造科学者会議」できちんと定義されたようです。
嬉しいですね!日本人としては、繊細で奥深い味わう力を取り戻したいところです。彼の国のタイヤ屋から、日本食の“美味しさランキング”なんか付けられて喜ぶな!と、思っています。皆さんどう思われますか?

飲みたくなる!必然性を開発するのが先
そこで繊細な深い味わいの日本酒をぜひ体験してほしいと智恵を絞ったのが先に紹介した「千の福めぐり」壱と弐と参でした。

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これを東京箱崎でイタリアンをベースにした美味しい料理を楽しませる「ビンチェ」さんのご協力いただき、実験的に置いて頂いたのです。今ではワインと並んで定番飲料として根付きました。若い女性の方々が、パスタや野菜料理と一緒に日本酒を楽しんでいらっしゃいます。皆さんもぜひお出かけください。

飲んでさえいただけば!
おじさんくさくないから人前で飲んでも恥ずかしくない

えっ、カワイい、日本酒には見えないです

飲んでみたら日本酒って意外と美味しかった

ギフトで誰かにあげたい。売っていますか

自分の気に入ったお酒を選べるようになりたい


多くの方から頂いた代表的なご意見です。「想定どおり」の嬉しい言葉でした。これで“飲みたくなる理由をきちんと用意できた”と自信を持ちました。

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つづく

日本酒の頑張り方 1

2011年12月13日 14:19

伝統の主張
若者の車離れが話題になっていますが、それよりも、かなり以前から、日本人の日本酒離れが止まりません。暫くシリーズで、日本伝統産業、地方の企業が、どのように頑張って活動をされているか、ご紹介したいと思います。

日本酒の頑張り方
酒と言えばかつては灘と伏見の蔵が造る酒が一級品で、関東でも幅を聞かせていました。
僕は学生時代、酒好きの先輩から酒は『剣菱』と教えられ、慣れない酒を飲まされたものでした。関東地域だけのトレンドだったのでしょうか?

それから間もなくして、雑誌『酒』の編集長であった佐々木久子さんが、僕の故郷である新潟の酒『越の寒梅』を紹介すると、小さな蔵で地元の人が飲む分しか作っていないわけですから、一気に品薄となって「幻の酒」になるわけです。

それから地酒ブームが起こり、淡麗辛口の奇麗なお酒が美味しいという“薄っぺらな酒の感性”が蔓延します。当の佐々木さんは広島生まれで、3歳から酒を嗜んでいたという酒仙です。越後の酒を紹介したのは、今でも酒の一大産地である広島酒を飲み過ぎたせいでしょうか(笑)佐々木さんに代わって、馬場が広島酒を紹介したいと思います。

広島は呉に『千福』という酒蔵があります。戦艦大和に搭載した酒を造っていた蔵元で、私はそこに惚れ込んで6年ほど通っています。

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千福の歴史より

日本酒を気軽に楽しむ
僕はお酒を飲むのは、食事をおいしくいただくためだと思っています。ですから、最初はこんなお酒を企画して作っていただきました。『淡味』と『深味』です。ワインに赤と白があるように、白身の魚を代表とする淡い味の料理には『淡味』を、肉料理やぶりの照り焼きなど濃い味付け料理には『深味』をと言う企画でした。

日本酒を語る方は、あまりのも日本酒を難しくしてしまった。ビギナーには選べない!ハードルの高さを低くしたかったのです。ワインのように2種類のお酒を用意しておけば、家庭料理を美味しくいただける。そう思ったんですね。今でもこれは正解だと思っています。

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小箱 ~ 壱と弐と参 ~
日本酒を気軽に手にとっていただき、酒質や価格に惑わされないで、自分の舌と心で味わい、感性にぴったり合った好きなお酒に出会って欲しい・・・。蔵元さんと数年かけて考え、たどり着いたのがこの商品です。

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ビジネスと言う以上に、日本酒文化を絶やさないという思いが、ここにあります。

つづく