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2011年のヒット商品番付表が発表されました

2011年12月09日 13:52

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日本経済新聞


東の横綱が「アップル」!
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これはもう異論がないところだと思います。伝記も100万部突破!僕もその購読者の1人です(苦笑)。デザインビジネスの真っただ中にいる自分としては、 ビジネスデザインに関して、“執着心がいやらしいくらいにすごい偉人”というのが僕のスティーブ評です。それに、工業デザインに関して素晴らしい造詣の持主で、韓国企業が標榜する「デザイン優先経営」のお手本のような経営者だったと思います。

アップルを頭で理解している自分がいた
僕にとってものづくりの王様は、俄然!本田宗一郎さん、盛田昭夫さん。ついでスティーブ・ジョブズ・・・と言いたいところなんですが、素直にそう言えないんです。何故でしょう?アップルは“ものづくり屋さん”ではないと思っているんです。どちらかと言うと“ビジネス屋さん”です。だから、心底から感動するか?と言うと「NO」なんです。僕はファンの眼で見ないで、プロとして覚めた眼で見ているんですね。

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その証拠に、所有するリンゴマークが付いているプロダクトは、2回買って2回とも壊し、新しく買っていないiPodしかありません。今、キーボードを叩いているのは、Panasonic Let’s noteです(でもパナが好きかというと決してそんなことは無い!笑)。そんな奴がアップルを語る資格はないんですが、片やスティーブの養父はエンジニアでクルマ好き。小さい時から親父さんの機械をいじる技をガレージで見て育ちながら、ダイオードや電気部品が好きだったという、根っからの電子世代(古いですね)人間だったんですね。僕のJrたちは、すっかり僕に感化されてクルマとバイクの虜になってしまいました。スティーブの養父は寂しかったでしょうね・・・。

「つなぐ」デザインが求められていた
今年は震災の影響があり、人と人の心をつなぐ商品やサービスが多いのは当然ですが、安心、定評、経験、習慣などをつないで、「あっこれならね!」って瞬時に理解できる“冒険しない商品”が多かったような気がします。一つ一つ自分なりの観点からヒット商品を見て行くと、「なるほど!」と気付くことが多い番付表でした。

皆さんもご自身のリテラシーを発揮し、記事に惑わされないで、どうぞ番付表を楽しんで下さい。

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再び!これから未来予測と開発キーワード

2011年06月29日 08:00

昨日のブログで、“社会の先行きは予断を許さないが、自分の未来はそれとは別で楽観視している”という博報堂の調査結果に触れました。

社会の立ち直りに、あまり期待は持てないが、自分と自分が知っているコミュニティー、そして、「絆」を維持している日本国民(家族)はなんとかやる!何とかする!という、決意が心の奥底にあって、悲しいような嬉しいような、“国には最低限度の期待はするが、自分と仲間は信頼しあって助け合う”と言う思いに至ります。

「国難」は、国の力が及ばずもたついているけれど、「民難」は僕らが自分の手で何とかする。一時代前の、自己責任と生活防衛という、一人でかたくなになり、日本人には似合わない思いに、どこかで迷っている“自分への言い聞かせ”だったのが、僕らはやっぱり、みんなで跳ね返そうとする。意識が吹っ切れたのではないかと感じています。ある種の達観の境地ですね。

これが、私の2011年のヒット商品全ての背景だと定義しました。つまり、ヒット商品から見る、これから未来予測において、しばらく続く底流で、かつ、開発の重要なキーワードです。

僕はこんな思考をしています・・・

(1)
間違っているかどうかは、それほど問題ではなく、時代の奥を自分の意識を通じ、リテラシーを発揮して、とりあえず文言にして、自分の心と頭の中を表にさらけ出し、「他人の目で見てみる」つまり「仮説」です。

(2)
その仮説(文言)からヒット商品を見つめ直して見る。ひとつひとつの商品の底流に、その仮説(文言と相通じる姿勢が見て取れないだろうか?「探検」する。

(3)
「探検」した結果、そこから派生する“枝の言葉”を「発想」する。それが以前ご紹介した8つのキーワードにあたります。

1 自分の身は自分で守る決意
2 支え支えられて生きていくことの感謝
3 今までと同じではやって行けない悟り
4 事実を知った上で選択する覚悟
5 逃げられないから立ち向かう意思
6 強さを秘めた優しさをふるまう喜び
7 権威に対しての盲従はやめる自立心
8 日本は自分達がつくっていると言う誇り

やっぱり、時代の大きな底流に流れる意識について「仮説」を立てて、キーワードを「アイデア」のように「発想」しているんですね。分析姿勢ではありません。

緊急!ヒット商品番付表の裏にある大きな背景

2011年06月28日 08:00

2011年上半期ヒット商品番付記事の中で目に付いたのが博報堂の調査結果でした。
“社会と自分のこれから”と言う見方が、今までだと、相互に似た動きをするのに対して、今年は逆の方向を示したということです。

社会が・・・
「悪い方に向かう」「やや悪い方に向かう」が41,4%、「良い方に向かう「やや良い方に向かう」が15,9%に対して、自分の暮らしは「楽観的」「やや楽観的」が47,6%。「悲観的」「やや悲観的」が16,8パーセントとのことです。“社会の先行きは予断を許さないが、自分の未来はそれとは別で楽観視している”と言うことなのです。

これはすごいこと!だと感じました。

大きくとらえれば、日本と政府、原発事故、復興のもたつき、などなど社会の立ち直りに、あまり期待は持てないが、自分と自分が知っているコミュニティー、そして、「絆」を維持している日本国民(家族)はなんとかやる!何とかする!と言うことなのだと、私は勝手に解釈しました。

今までは社会と自分は似た方向を示していたのです。しかし今年は逆のです。これをダイレクトに捉えると、国には期待できないけれど、自分と仲間は信頼している・・・このように解釈すると、あーこの国は過渡期で、成熟、進化しつつ状況にいるのだ!と妙に納得しています。このことを政治家、あるいは企業が、自分達がどのように国民(消費者)の信頼を裏切ってきたのか、覚醒しないと、いつかえらいことになるよ!って、事前告知をしているのです。

そこで蘇ってくるのはこの言葉です・・・

(前略)これまでのような、横並びの競争の中で周りを見ながら走り、そこから一歩抜け出すことだけを考えていれば良かった時代は終わりました。自分のあり方を主張し、他と違う自分なりの戦い方を明確に持っていなければ戦えないということに、企業も、そして個人も気づいています。(後略)

やっと、日本のものづくりと生活者は、進化の覚悟を固めたんだなと思いました。これらは私自身の勝手な解釈ですがね。(笑)

以前、「変わること」と言うタイトルで、大震災後に顕在化した生活者意識と8つのデザイン宿題を書きました。その意識とヒット商品の結果が、ずいぶん符号していることに、我ながら驚いています。

1 自分の身は自分で守る決意
2 支え支えられて生きていくことの感謝
3 今までと同じではやって行けない悟り
4 事実を知った上で選択する覚悟
5 逃げられないから立ち向かう意思
6 強さを秘めた優しさをふるまう喜び
7 権威に対しての盲従はやめる自立心
8 日本は自分達がつくっていると言う誇り

今日も2つの会社の方々と、新商品と新事業のミーティングをしました。“新しい思考と古い行動”が、ギシギシ軋み音をたてた会議でした。みなさんは、どうお考えになりますか?

発表!ヒット商品番付

2011年06月27日 08:00

発表!2011年上期ヒット商品番付
時代のキーワードなどと話をしている時に、ちょうど(6月22日)日経MJから今年上期のヒット商品番付が発表されました。ご覧になった方も多いと思います。一応押さえで、ここでも触れておきます。

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さて、このブログでは、このところ「つなぐ」デザイン思考という話題で書いていました。ヒット商品という具象を、一旦、抽象概念に変換し、ヒットの要因を深め、またそこから新たなオリジナルの具象を生みだそうということです。

MJ誌には当然、選定した側から、ヒット商品を通じて時代の断面を切り取り、MJ読者のビジネスに役立ててもらおうという意図があります。でも、MJの購読者が何人いるか、今すぐ言えるほど把握していませんが、多くの読者がまさか“MJ誌さん”の借り物の解釈で発想するわけにはいきません。
あくまで参考にして、やっぱりオリジナルの解釈をして、自社の企画やものづくりの方向性を定めなければなりません。

ここで皆さんも、ちょうど良い機会ですから、時代のキーワードを切り取ってみませんか?

「世のため消費」
大きく踊っている見出しは、震災で「世のため消費」うーん、旨いですね。確かに、東北の酒蔵さんのメッセージを受けて、お酒がとても売れました。それに端を発して、商売が上手なデパートが、お中元セールで東方を応援する(消費者が応援するんですがネ(苦笑)商品を販売しています。それを「世のため消費」と言ってるんですな!

その他、癒し求め・・・「連帯」「防御」「現実逃避」などなど・・・私もちょっと時間をとって考えてみます。