ブレイクスルーとブレイクダウン 5

2017年02月24日 13:56

4回にわたり、ブレイクスルーが「未来のウォンツ」を創る力と、それをブレイクダウンで「開発テーマ」に置き換え、解決の手立て(ソリューション)にし立てるフットワークの良さについて説明してきました。これは<「3×4」クロス・デザインマネジメント>のステップ1と2の仮説創りと開発テーマの設定で大きな力を発揮します。今日は、ブレイクスルーとブレイクダウンの効果を実証するヒット商品の3部を紹介します。


ブレイクスルー&ダウン商品3部作
これから、クルーのクライアントである株式会社 オプナスさまの開発部門と協力してデザインした「ヒット商品」を解剖して、何所でブレイクスルーが起ったか?探索してみます。しっかりご覧ください!


ブレイクスルー商品① 「パタンテ」の場合

内錠は何のため?→室内への侵入を防ぐため
それは何のため?→身の安全を守るため
それは何のため?→安心・安全な生活をするため(当たり前のニーズ)


ここに「凄ワザ」発動!
安心・安全な暮らしを願う高齢者のペルソナをつくりその人の気持になりきる!

ブレイクスルー

それは何のため?→ゆったり安心できる時間を得るため
それは何のため?→素早く動けない自分が外を気にせず疲れを癒すため
それは何のため?→明日をまた元気に迎えるため(飛躍したウォンツ)


ブレイクダウン

ゆったり安心できる時間を得るため→そのために?握力と視力が衰えていても軽いタッチで確実にロックできる
素早く動けない自分が外を気にせず疲れを癒す→そのために?薄暗い玄関でもひと目でロック状態が分かり安心できる
明日また元気に迎えるため→そのために?サムターン回しの犯罪から守る突起のないデザインでぐっすり就寝


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サムターン [パタンテ]
2005年グッドデザイン中小企業庁長官特別賞受賞

商品問い合せ先 株式会社オプナス企画開発部 新市場・商品開発

ブレイクスルー商品② 「キーキッス」の場合

鍵は何のために?→錠前を施錠解するため
それは何のため?→許可を得た者だけが出入りをするため
それは何のため?→特定の人が肌身離さず持ち運ぶため(当たり前のニーズ)


ここに「凄ワザ」発動!
都市のマンションに住み、安心・安全な日々を切望する一人暮らしの働く女性の気持になる!

ブレイクスルー

何のためにあるの?→鍵の存在さえ知られたくない
何のためにあるの?→薄暗いところでもすぐ施錠解錠ができる
何のためにあるの?→怪しい人がいてもサッと入室したい(飛躍したウォンツ)


ブレイクダウン

鍵の存在さえ知られたくない→そのために?キーケースと一体のUSB型
薄暗いところでもすぐ施錠解錠ができる→そのために?鍵を探す手間を省く
怪しい人がいてもサッと入室したい→そのために?キーホールに誘い込まれる


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key&silinder
2006年グッドデザイン賞受賞
商品問い合せ先 株式会社オプナス企画開発部 新市場・商品開発


ブレイクスルー商品③ 「アイズ」の場合

鍵は何のために?→錠前を施錠解するため
それは何のため?→許可を得た者だけが出入りをするため
それは何のため?→特定の人が肌身離さず持ち運ぶため(当たり前のニーズ)


ここに「凄ワザ」発動!
小さな子供がいて、たまの休日にバタバタお出かけするご夫婦のペルソナをつくりその人になり切る

ブレイクスルー

それは何のため?→鍵のかけ忘れをしないため
それは何のため?→施錠の責任を押し付け喧嘩にならない
それは何のため?→施錠が出先で確認できる(飛躍したウォンツ)


ブレイクダウン

鍵のかけ忘れをしない→そのために?毎日の施錠作法で大丈夫な仕組み
施錠の責任を押し付け喧嘩にならない→そのために?誰が使っても同じ効果が得られる
施錠が出先で確認できる→そのために?鍵に施錠したアイズが残って安心


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2008年グッドデザイン賞受賞
商品問い合せ先 株式会社オプナス企画開発部 新市場・商品開発

いかがでしたか?ブレイクスルーの面白さと、ブレイクダウンの手堅さを堪能していただいたと思います。このハイブリッド発想法は、壁に打ち当たったあなたの開発を、デザインパワーで軽々と乗り越えてくれるはずです!
具体的な実践についてご興味のある方はクルーまでお問い合わせください。

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デザインの「解放」神戸ものづくり塾 プレ講座 8

2017年01月19日 08:00

今日は「神戸ものづくり塾」の初日で、神戸市産業振興センターに来ています。
塾の様子はまた近々にご報告します。楽しみにしていてください。今回のブログは、昨日に引き続き、<「3×4」クロス・デザインマネジメント>ステップ1と2の「まとめ」を行います。

先日、こんなご質問を頂きました。

「我が社は、マーケットの売れ筋商品で方向性を参考にして、それと似ないようにオリジナルデザインをしていますが・・・中略・・・本当にオリジナルと言えるものづくりをするには、どのようにしたら良いのでしようか?」

前段の、「売れ筋商品を見て・・・」という言葉をサラっと聞き流せば、効率のいいマーケティングのような気がします。しかし、よく考えてみると、これはもの凄く危険なビジネスではないでしょうか?<「3×4」クロス・デザインマネジメント>では、一般的に普及している「企業環境分析」を止めよう!と提言しました。マーケットの売れ筋商品で方向性を参考にして・・・という行為は、まさに「分析型」の開発思考で、それは、「できるだけ既存商品に似ないように・・・」という、苦し紛れのスタイリングデザインに追い込んでしまいます。
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さらに、<「3×4」クロス・デザインマネジメント>では、商いの「三題小噺」を創作する「発想型」開発のすすめを提案していています。ブログでは二つのオリジナル事例を創って解説しました。

オリジナル商品を開発するために「新田知水」ビジネスを!

ご質問の後段「・・・本当にオリジナルと言えるものづくりを・・・」について、もう少し深く考えて行きましょう。それを現実化するのは「自社の強み(自社シーズ)」です。「なーんだ、そんなことは当たり前じゃないか」と言われるでしょうが、それがちょっと違うのです。ここで言う「自社シーズ」とは、今まで得た小さな「技術と知識」を深堀した、オリジナルの「自社の強み=知的資産」を指すのです。それを活用するのが「新田知水ビジネス」です。

1月10日のブログで発表した、紙器業の「三題小噺」は、「技術と知識の三段絞り」を行いオリジナルの「自社の強み」として定義したプロセスが見て取れます。
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自社の技術的強みを育てると・・・ 
我社は紙器業でどんな難しいパッケージでも製造できる・・で良いんですよね!
   ↓ 他の会社もそう言っているよ!そのココロは?
我社はどんな「対象物」でも要求通りの包み方を提案できる・・・と解釈したら?
   ↓ もっとオリジナリティーを!そのココロは?
我社は軽く丈夫な紙の特性を知っていて、包む、守る、運ぶ、見せるなど、その目的に応じて、紙のはたらきを引き最大現に出すことができる技術を持っている会社!でどうだ。
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自社の知識的な強みを育てると・・・
顧客は工業部品・製品からビジネス分野や食品業界まで幅広いさまざまな業界情報が入る・・・で良いんですよね!
   ↓ 他の会社もそう言っているよ!そのココロは?
お客さまのさまざまな紙器の使い方を知っていて、業界ごとの特性と独自の要求を先回りして答えることができる・・・と解釈したら?
   ↓ もっとオリジナリティーを!そのココロは
市場ごとにある独自要求を他の業界に流用したりすることで、お客さまが明確に注文できないことも、先回りして代替え案を提案できる知識を持っている会社!でどうだ。
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まとめ2「知的資産型デザイン」のすすめ

<「3×4」クロス・デザインマネジメント>が言いたかったこと、それは中小企業の「商いの構想」創りは、「ライバルも持っていそうな強み」の「表面なぞり」ではなく、「技術と知識の三段絞り」を行い、オリジナルな自社の強みを「発想」し育てることでした。

この「知的資産」やがて、「ノウハウ」や「営業秘密」として成長し「知的財産」になり、組織のみんなが使える財産となります。そして、ご質問にあったオリジナルの商品を開発する原動力になるはずです。いずれ機会をみて「知的資産型デザイン」のお話をしてみたいと思います。

■神戸の研修に興味のある方は下記へご相談ください
神戸市経済観光局 経済部 工業課
e-mail : kogyoka@office.city.kobe.lg.jp

デザインの「解放」神戸ものづくり塾 プレ講座 6

2017年01月17日 08:00

神戸の研修まであと2日です。前日に引き続き「仮説」創りに入って行きましょう。今回はクルーの発明品である「簡単仮説発想法」を開示します!

『ノニデヲデ』仮説をつくろう!

これはとても面白く、簡単に、ヒトの心理をついた仮説を創ることができる手法です。「ノニデヲデ」とは以下のような構文で「仮説」を発想して行くのです。

こんなヒト「ノ」こんなニーズ「二」こんなシーズ「デ」
こんな解決策「ヲ」こんなバ「デ」提供します


コツさえ覚えれば簡単にいくつもの「仮説」をつくることができるのです。「仮説」を発想するにあたって最も大切なのが、ニーズを発想することですが、ここに若干の「コツ」が必要なんです。それをクルーの「デキルデザイン」テキストから解明して行きましょう!

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クルーテキスト「デキルデザイン」より抜粋 画像クリックで拡大します

出来上がった仮説案と実際の商品はこうなった!

日本酒を楽しみたいと思うビギナー女性のため「ノ」
自分の好みにあったお酒を人前で積極的に楽しみたいと思うニーズ「二」
多くのお酒から食べ物に合うお酒を選ぶシーズとパッケージ「デ」
日本酒を知らない人でも最適なセレクションができる飲み方「ヲ」
パーティー・カフェ・レストラン・飲食のコーディネートができるバ「デ」
提供する。


・・・となる訳です。「ノニデヲデ」の構文で発想すると。仮説を不思議に浮かび上がってくる!魔法のような手法です。

さあ、あなたも「仮説」を創りたくなったでしょ?神戸に来られるゲストさんになりきって、思い切り不平と不満をぶちまけて、生き生きとした商品・サービスの仮説を創作してください。

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三種内側
2012年グッドデザイン賞受賞「千の福めぐり」- 株式会社三宅本店

株式会社三宅本店
http://www.sempuku.co.jp

千の福めぐりサイト
http://sempuku.co.jp/lineup/cube/index.html

デザインの「解放」神戸ものづくり塾 プレ講座 4

2017年01月13日 08:00

今回は「デザインマネジメント」について

「デザインってやっと理解仕掛けたのに、今度はマネジメント?大変だ!」そんなことを言わないでください(苦笑)簡単に言えば「デザインマネジメント」は・・・

<お客さんに持って行ってもらう「ご利益=ゴリヤク」と、自分が確保したいと目論む「利益=リエキ」を、商売(マネジメント)の観点から、「より向上させ、より良いバランス創る」という考え方と手法のことです>

如何ですか?何時も考えていることと本質的には変わりないですよね(笑)
私はデザインマネジメントの研究家として、デザインがなかなか中小企業に普及しない原因が「デザインマネジメント」不在にあると思っています。今、ドラッカーさんがご存命ならどのように仰っていただけるだろうか?興味がつきません。

「×(バイ)」はクロス、顧客ご利益と企業利益が両立できる

そのために、<「3×4」クロス・デザインマネジメント>では、お客さまに差し上げるご利益(便益=ベネフィット)づくりと、自分の商売で得る利益づくりを、相反させない仕組みを持っていることです。これを「×(バイ)」と言います。「ワカルデザイン」では次のように紹介しています。
わかるデザイン46−47より抜粋
クルーテキスト「ワカルデザイン」より抜粋(画像はクリックで拡大します)

デザインは理想ばかり掲げ、利益を損なう?
「デザインをするとカネがかかり利益を損なう」とか、「デザインはとかく理想を言っていて折角設計ができたのにひっくり返してしまう」・・・とか、企業さんのボヤキを耳にしますが、それは「デザインマネジメント」という観念がないことと、マネジメントする専門家や手法がないからです。

私は現在、日本大学藝術学部で学生たちに「デザインマネジメント論」の講義と演習を行っています。学生のうちから、デザインがビジネスの活動できちんとその力を発揮できるようにしてもらいたいと思っているからです。

今日のブログ上のプレ研修で、<「3×4」クロス・デザインマネジメント>の骨格を紹介しました。これでデザインが異端の思考や手法ではなく、商売の基本的な進め方と何ら変わりがないことを感じていただいたと思います。来週からまた新たな段階に入って行きます。どうぞお楽しみにしてください。

■神戸の研修に興味のある方は下記へご相談ください
神戸市経済観光局 経済部 工業課
e-mail : kogyoka@office.city.kobe.lg.jp

デザインの「解放」神戸ものづくり塾 プレ講座 3

2017年01月12日 08:00

「3×4」の基本中の「キホン」を知ってください!

事業や商品開発の立ち上げを、2回にわたって「三題小噺」創作で解説してきました。いかがでしたか?そんなに難しいコトではないでしょう!ここで一旦立ち止まり、<「3×4」クロス・デザインマネジメント>の原則を確認してみましょう。「3×4」というネーミングの由来を辿りその秘密を覗いてみます。

※「3×4」は株式会社クルーの登録商標です

「3」はヒト・モノ・バ。助け合う仲間をつくる

事例の中に<ヒト・モノ・バ>という言葉が再三出てきました。これを「デザインの3要素」と言います。「3×4」の「3」に相当します。「ワカルデザイン」のテキストではこのように解説されています。
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クルーテキスト「ワカルデザイン」より抜粋(画像はクリックで拡大します)

リレー方式から一気通貫方式へ
今迄の手法は、自分は考える人(ヒトの要素)→僕はつくる人(モノの要素)→私は売る人(バの要素)と、リレー方式で構想していましたが、それではコンセプト(お客さまへの思い)が分断されてしまいます。<「3×4」クロス・デザインマネジメント>では、お客さまへ差し上げるご利益(ベネフィット)を一気通貫させるために、終始一貫してヒト・モノ・バの3要素を一体としてデザインして行くのです。組織を分断させず協力させる手法とも言えます。

「4」はデザインステップ、経営と開発を分離させない

<「3×4」クロス・デザインマネジメント>のもう一つのキホンは、「4」という数字に表されています。「ワカルデザイン」では次のように解説しています。
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クルーテキスト「ワカルデザイン」より抜粋(画像はクリックで拡大します)

デザインはビジネスと一緒に歩んでいる
ここで着目していただきたいのが、4つのステップが日常の商いのプロセスと分断されずに一体となって活動している点です。つまり、デザインはデザイン室で秘密裏に構想される特殊な思想ではなく、孤立した活動でもない、「何時も日々のビジネスと一緒に歩んでいる!」という事実です。経営と開発(デザイン)を一体化させ、事業を停滞させない手法とも言えます。

次回は「×」クロスの意味とはたらきについて紐解いて行きたと思います。お楽しみに!

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神戸市経済観光局 経済部 工業課
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