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「神戸」は日本近代化の最先端地域だった!

2016年12月28日 08:00

神戸には多くのものづくり企業が集積しています。1868年(慶応3年)神戸(兵庫)開港、1974年(明治7年)大阪〜神戸間に官営鉄道が開通(新橋〜横浜間開通から2年後)、以来、客車製造、初の国産マッチ製造、川崎造船、三菱重工、小林製鋼所(神戸製鋼所前身)などの開設、後のタイヤ、ゴムベルト、履物に繋がる神戸ダンロップ護膜の設立など、そのまま日本の近代化の歴史を切り開く華々しい発展を遂げて行きます。

KASAWAKI KR250

誰かのための「別品」づくりは何時から始まった?

特に戦後は、神戸のゴム履物が、東京・大阪・岡山の大手企業にシェアを奪われ、昭和27年頃に、塩化ビニールを用いた新製品「ケミカルシューズ」を誕生させます。昭和45年頃迄は全国の97%を締めるようになりました。その理由にこそ、神戸が誰かのために「別品」を創れる遺伝子=知的資産が脈脈と受け継がれているのです。以下に掲げた発展理由は、いまだに最先端のデザイン(マーケティング)の基本中のキホンです。神戸は極めて自然に誰かのため!の「別品」を開発する能力を育ててきたのです。その誰かのためを明確にするのが<ターゲットプロフィールシート>によるペルソナの設定です。

ケミカルシューズ業界発展理由神戸市経済観光局 経済部 工業課 調べ)
・小規模企業中心で個人の好みと流行に合った多品種少量生産を身につけていた
・外国貿易を通じて海外の情報がいち早く手に入れることができていた
・京阪神の一角にあって大都市の市民ニーズが把握できていた




ターゲットプロフィールシートで「ペルソナ」を設定しよう

「ものづくり塾」で取りあげる“開発アイテムはまだ未定ですが、決まっているのは、神戸に毎日6万人以上来られるゲストを対象に、「別品」をご提供することです。海外から、国内から、老若男女さまざまな方々が、空から、海から、陸から、ワクワクを胸に膨らませ神戸に来られます。商品開発のイロハの「イ」は、国内最高シェアのケミカルシューズ開発して来られた先人たちが行ってきたように、お客さま像を明確に描くことから始めます。1月19日の研修では、最初にお客さまになっていただきたい人=ターゲットのペルソナを描くところからスタートします。

イメージしてみませんか?

研修を受ける方、検討されている方、デザインに関心のある方、ちょっと時間のあるお正月休みに、誰にためにものづくりをするのか?添付した「これから顧客シート」に、気楽に書いてみて、あなたの頭にある顧客イメージを観察してみてください。

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今日で2016年の業務を締めさせていただきます。しばらくお休みを頂いた「元気な企業を創るデザイン」ブログも再会いたしました。年明けからももう少し「神戸のものづくり塾」の事前研修を行ってまいります。

■神戸の研修に興味のある方は下記へご相談ください
神戸市経済観光局 経済部 工業課
e-mail : kogyoka@office.city.kobe.lg.jp




ご挨拶
今年もお世話さまになり本当に有り難うございました。(株)クルー一同、お礼を申し上げます。来る年も、みなさまに取って、希望に満ちた佳き年でありますように祈念いたします。            

2016年12月28日

12月29日よりお休みをいただき、2017年1月5日より業務を開始いたします。それでは素敵な冬休みをお楽しみください!

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開発はテーマが重要 3

2012年10月26日 13:58

ほぼ一カ月ぶりのブログです。奇麗な秋の日本海を眺めながら金沢に向かう車中です。今日から怒涛の連続出張が始まります。

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旅程は、東京→越後湯沢経由で金沢へ、→越後湯沢経由で山形へ、更に→東京、名古屋経由で福井は越前市へ、そこから→京都→鹿児島へと、全て陸路で戻りは流石飛行機と言う一週間のスケジュール。地図を想像していただくと分かりますが、山形行きがなけれ、ば金沢→福井→京都ときれいな一筆書きルートです。最初の予定はそうだったんですが、やんごとなき事情で山形行きが入ってしまったのです。寅さんだってこんな無謀な旅はしていません(笑)。さあ、来週の今日はどんな顔をしているでしょうか?

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さて、2回続けた「テーマ」を創る力をまとめたいと思います。
前回は怒り、不満、不安がテーマを創る源だと言いました。事例はオプナスさんのアイズで説明しましたね。今日は千福醸元(株)三宅本店さんの「千の福めぐり」でご紹介します。

「怒りニーズ転換発想法」
テーマを創る時に当然のコトながらニーズ調査をしますが、僕はニーズは発想するものだと言っています。しかし、最初からニーズを発想すると平凡で退屈極まりないニーズしか思い浮かびません。深まったニーズを発想するためには、対象者になりきり思いきり我儘に激しく怒って不満、不安を発想し、それを一つずつニーズに転換すると良いとも言っています、怒りはその人に素の思いだからです。


事例「日本酒ビギナーのための商品開発
怒り:酒好きに見られそうで人前で飲めない
ニーズ発想
→人前で飲んでいても日本酒と気付かれないようにしてよ
→新幹線や飛行機内で飲んでいても様になるような飲み方をさせて欲しい
→勤め帰りのカフェで女友達とかっこよく飲ませて欲しい

怒り:お酒の種類が書いてあっても分からないから選べない
ニーズ発想
→私でも分かるような味の表示をして選べるようにして欲しい
→その時の気分に合わせ最適なセレクションができる応援をして欲しい
→ワインのように食べものごとに合わせて楽しませるようにしてよ

怒り:こんなに飲めるわけがないのに量が多くて手が出ない
ニーズ発想
→グラスワインのように飲みきり量だったら良いのにね
→開封した時の鮮度を何時も楽しみたい
→本当はいろんな味わいを試しながらお酒をきちんと知りたいんです

こんな具合に怒りを発想したら、そのひとつひとつに対して思いつくニーズを発想すればいいんです。これが「怒りニーズ転換発想法」です。

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「お酒に興味があるビギナー女性」「自分に合ったお酒との出会いを求めるニーズ」「楽しむ気分と食べモノのマッチングができる機能」「自分の好みやシーンに合わせて選べる仕掛けの商品」「カフェを始めとした小ハレの場」提案します。という開発仮説になります。

ヒト・モノ・バの3要素でテーマを創る
クルーが提唱する「3×4」デザインプログラムは、ヒト(顧客要素)、モノ(製品要素)、バ(流通販売要素)で構成されていることはご存だと思います。ニーズは勿論、ヒトの要素、後は、ニーズを実現する自社のシーズをモノの要素に記述し、更に発想した商品を対象者の手に届ける最適なバを想定すれば仮テーマの骨格ができます。

それを、“こんな人、こんなニーズ、こんなシーズ、こんな解決策、こんな場提供する”と言う構文で表現すると、ばっちり開発テーマとして発想できるのです。これを「ノニデヲデ簡易仮説発想法」として現在多くの研修で紹介中です。月刊「事業構想」の次号で詳しく紹介されますからぜひ書店でお買い求めください(笑)。

このように「ノニデヲデ」構文に当てはめ仮の開発テーマを創りで完成したのが、(株)三宅本店の「千の福めぐり」壱・弐・参の福です。世界中から集まったカーデザイナーのパーティー、フレンチやイタリアンとのコラボレーション、仮説の狙い通り女子会で大好評。今年のグッドデザイン賞では、“日本酒のネガティブなイメージを払拭し、さまざまなシーンで日本酒が楽しめる商品である”と、コンセプトが認められデザイン賞を受賞しました。これからの売れ行きが大いに期待される商品です。

開発はテーマが重要 1

2012年09月06日 17:07

テーマって開発の独自課題です。同じ分野の似たような商品でも、ダントツ売れているのはテーマが鮮明です。つまり、商品開発をするにあたって、独自の切り口を持っているということです。そんなことはあたり前だと思っておられるでしょうが、これがなかなか難問なのです。

ヒット要因分析だけで企画する危うさ
例えばヒット商品番付表に載った商品でそれを考えてみましょう。日経MJさんは読者に参考になるように 何故ヒットしたのか?理由を分析し独自の解釈で解説してくれます。読者はそれを参考に・・・さあ、どうしますか?もちろん、(ヒット理由)=(顧客が買いたくなる理由)=(消費トレンド)として解釈し、それをキーワードに自社企画を見直しますよね。しかし、それで万全でしょうか?どうも僕には少々違和感が残ります。

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要因分析は出口分析
ヒットした理由はあくまで売れた結果論です。極端に言うと、それは解析した専門家の経験と価値観に基づく創作だと思っています。そこには、開発者が何を目指して開発したのか?と言う目線で見ていない!大きな落とし穴があると思っています。個々の消費者はもっと個別的で切実な事情や、心に引っかかる刺激があって、モノやサービスを購入していて、最大公約数のヒット要因とは異なる感覚をもっています。問われれば、「別にそんな気持で買っていないよ・・・」または「そうかもしれない・・・けど」って感じではないでしょうか?つまり、ヒット要因とは全体にほんわり網を被せた解釈だと思いましょう。

2012年上期ヒット商品キーワードはこのように編集されています

ひと足
渋谷ヒカリエ ガンダムフロント東京 三井アウトレットパーク木更津・・・
MOBILE SUIT GUNDAM  Tokyo Skytree

ひと息
1人カラオケ レノアハピネスアロマジェル コンビニコーヒー・・・

ひと安心
塩こうじ 丸の内タニタ食道 ダンスグッズ・・・

テーマ想像は入口発想
だからと言ってヒット要因が不要とは言いません。加えて必要なのは・・・

商品開発者が何を仕掛けたのか?何をか解決しようとしたのか?企画の入口である開発テーマを想像してこそ、結果の分析がセットになって生きてきます。

ただし、入口で目指した思惑どおりにヒットするとは限りません(笑)。次回はちょっとだけ具体的にテーマ探りを考えてみます。

つづく

リニューアル!プレミアム石川ブランド

2012年09月04日 11:16

8月29日に第一回「プレミアム石川ブランド」の表彰式に出席してきました。この賞は平成8年から続く「石川ブランド」の刷新を目指し、今年度から当該事業で選定されて商品の中で、特に秀でていて、ものづくりを先導し、石川県のブランドとしての価値を創造できる製品を選び、更に育成しようとする事業です。この賞は1機械 2情報
3繊維その他産業材 4食品 5伝統工芸品、生活雑貨、インテリアなどの5部門にわたり、僕は機械、情報、繊維その他素材の審査を担当しました。グッドデザイン賞はじめ他府県の審査はチームで審査をするのですが、この審査は一人で審査をしなければならず、緊張感をもって審査に挑みました。栄えある第一回目の受賞企業と商品を紹介します。

1.機械部門 株式会社ニシムラジグ グリッパー
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2.機械部門 東亜電機工業株式会社 マーキュリー
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東亜電機工業株式会社ウェブサイトより

3.情報部門 株式会社シーピーユー 建てもの燃費ナビ
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株式会社シーピーユーウェブサイトより

4.繊維その他産業材部門 オリケン株式会社 新織物「ネキーロ」
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オリケン株式会社ウェブサイトより

5.食品部門 株式会社宮本酒造 美酒のだし プレミアム300ml
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株式会社宮本酒造ウェブサイトより

6.食品部門 池田商店 金沢こんかこんか
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池田商店ウェブサイトより

7.伝統的工芸品・生活雑貨・インテリア等部門 天池合繊株式会社 天女の羽衣 ~手描き加賀友禅~
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天池合繊株式会社ウェブサイトより


8.伝統的工芸品・生活雑貨・インテリア等部門 株式会社朝日電機製作所「伝統工芸×IT」いしかわSPC
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伝統工芸王国ウェブサイトより

新たにマークも広く応募を募り、世界中から集まった意欲的な作品を審査させていただきました。選ばれたマークは石川の「石」を極めてシンプルに表し、抜いた空間はプレミアム商品が、石川の未来の扉を開く“希望に満ちた明日”を感じさせる見事なデザインでした。これから受賞企業さんと個別にブラッシュアップのお手伝いが始まります。折りを見て個々の商品の魅力をご紹介したいと思います。

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「平成24年度プレミアム石川ブランド製品認定証交付式、プレミアム石川ブランド シンボルマーク表彰について」より

否応なしの進化が起こっている
今年は新潟県のIDS審査に始まり、大阪市のデザインを活用した新事業審査、今だに続くグッドデザイン審査、そして10月に行われる予定の栃木県のTマーク審査など、多くのデザインの挑戦と対峙し真剣勝負を楽しんいます。今年は本当に大きく産業の行く末が変わる!デザインが変わる!と実感しました。これもグッドデザイン審査の結果が公表された後に、じっくりお伝えしたいと思います。

デザインの行方 16

2012年05月15日 11:49

デザイナー進化 2
前回までは、“<デザイナー進化1> 大企業で他の部門とやり合い開発の方向性を先導できるプロデュース型デザイナー”を取り上げましたが、今日から“<デザイナー進化2> 企業のシーズを理解し他産業と協業しつつ新事業を創造するデザイナー”に触れてみたいと思います。

デザイナーが救世主になる
これは企業の大小に関わらず、垂直統合や自前路線にこだわり、会えて進化を拒むかのような企業の内と外で関わるデザイナーが、救世主になるチャンスです(笑)。技術開発から販売まで、一社ですべて抱え込み企業規模を誇る時代は、バブル経済の崩壊と共に終わりました。規模が大きいほど良いビジネスを展開するのに有利だったものづくりが終わったと言うことです。嘗て、日本10社以上の総合家電メーカーがあったんなんて、今にして見れば日本が発展途上国だった証明で、価格競争で勝負が決まるコモディティー商品のビジネスはアジアに移るのが必定です。やがて、金太郎飴のようなクルマをつくる自動車メーカーも同じ運命をたどるのでしょうね。

救世主は触媒!?
さて、そこで!進化型デザイナーの登場です。古い話ですが。1988年、世界で初めてデザインマネージメントの研究レポート(ハーバードビジネススクール)がなされた「TRIAD DESIGN PROJECT」(日本産業デザイン振興会主催)で、アメリカ、ヨーロッパ、日本の三極で成功したビジネスにデザインが果たした役割)の中で、デザイナーは、“スタートからのパートナーであり、触媒としてのデザイナー”であった!ということが成功ポイントであったと報告されていました。 

それは、以下の理由によります・・・

・デザイナーは異なる開発テーマを持つプロジェクトに、同時並行的の関与をしていること

・技術職は専門的分野ごとに分かれて研究して、異なるプロジェクトの解決策に触れる機会がないこと


従って、デザイナーは異なるプロジェクトが抱える課題について共通する解決策に気づき、それを融通する役割をはたしていた。25年も前の世界で成功した商品開発プロジェクトの共通事項でした。

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専門特化した企業ほど専門性を持たないデザインが救う?
ここから得られる知見はこのすごく本質的なことで、事例は大企業のデザインマネージメントでしたが、それ以上に、異なる産業、企業、開発分野などで、デザインがブリッジをかける役割は測りきれないほど大きなものがあります。小さな企業が研究して得た成果をビジネスに結びつる。異なる技術組み合わせによって、新たな解決策を生み出すなど、さまざまな分野で活躍し、あえて専門分野にとらわれない発想力を持つデザインの強みがあるのです。

次回はここをこう少し深めてみます。

つづく