ブレイクスルーとブレイクダウン 4

2017年02月23日 14:15

ブレイクスルーの面白さを感じてみたものの、イザ!自分でやってみると案外戸惑うものです。ブレイクスルーしたつもりでも、馴れないと今迄の思考と同じように技術の発展を構想して、機能と性能の差別化アイデア出しに終始していた・・・あれ?こんなはずじゃなかった・・・。ということになる可能性もあります。実は研修でよく見られる光景なのです。今日はそんな「惜しい!」事例をご紹介しますので、是非、これを参考にしてブレイクスルーのコツを掴んでください。


ブレイクスルーの落とし穴
引き続き冷蔵庫の事例で、ブレイクスルーできなかった代表的な落とし穴をご紹介しますので、その「発想の分岐点」に着目してみてください。こんな具合です。

ブレイクスルーできなかったケース ①

冷蔵庫は何のためにあるの?→食べ物や飲料を冷やすためにある
それは何のため?→食べ物や飲料を腐らせないためにある
それは何のため?→健康的で美味しい食生活のためにある(ニーズ発想)

昨日の事例ではここで飛躍(ブレイクスルー)が起っていたのだが・・・
失敗ケース1
このケースのブレイクスルー手順は正しいのですが、「健康的で美味しい食生活のためにある」というニーズは、言わば人生の最終ゴールのようなものです。だからこそ、個人の価値から発想するブレイクスルーが必要だったとも言えますね。


ブレイクスルーできなかったケース ②

冷蔵庫は何のためにあるの?→食べ物や飲料を冷やすためにある 
それは何のために?→食品や飲料を腐らせないためにある
それは何のため?→健康的で美味しい食生活のためにある(ニーズ発想)


  一つ戻ってここからやってみよたらどうなるかな・・・。

それは何のために?→食品や飲料を腐らせないためにある
それは何のため?→食品や飲料の鮮度を保つためにある
それは何のため?→食品や飲料の美味しさを保つためにある


失敗ケース2
どんな食品でも美味しく食べるようにする→酸化を防ぐ○○バリヤ灯、栄養素を逃がさない△△キープ、商品ごとに最適な保存モード、賞味/消費期限を忘れない知らせ機能・・・。

このようにブレイクスルーとは、機能・性能競争に入り込む手前で、「誰のための幸せを創る冷蔵庫にするのか?」、つまりターゲットを定めてペルソナを設定し、その人の立場から、未来の冷蔵庫のあるべき理由を想像することなのです。

次回は実際に商品化された商品のブレイクスルーポイントを探って、独自の市場を創り成功した「新田プロダクト」の事例をご案内したいと思います。

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「つなぐ」デザイン思考 1

2011年06月22日 08:00

具象から抽象へ、そしてまた具象へ、
これはデザインの中心的思考方法だと思っています。
知らず知らずのうちに身についていて、クルーの中では会議中、ごく自然にこのような思考でディスカッションしています。

これが特別な思考なのだということを気がつくことが多々あります。例えば直近の例では、仏壇が売れなくなって、インテリアに合わなくて・・・などなど、これからの仏壇は・・・などと話をしていたとします。


仏壇ってなんだろうね?
・・・仏様と祖先を祀るところでしょ?
そうだね、そこには何が起こるんだろうね?
・・・何って・・・、「あのー位牌を置いて御線香を立てて・・・」
そうそう、祈る行為を受け止める道具であり、装置、設えだね!
・・・またしばらく沈黙があって、「そうです。朝晩にお勤めして・・・」
いや、だから、もっと大きく捉えると「祈る」んだよね!(ややきつく!)
・・・「だ~か~ら~。仏壇はお勤めをする道具です!」

こんな調子で、具象を一旦抽象に置き換え、仏壇という具象の本質をえぐり出したいとディスカッションするのですが、話がもたつきます(笑)。

デザイナーは一旦、宗教行事から解放され、祈る本質に遡ることができるのですが、普通の思考は、宗教行事に捕らわれ、宗教行事で使う仏壇という具象で捉えてしまうのです。つまり「仏壇」という具象が支配する世界で物事を思考し、デザイナーは「祈る」という抽象の世界に一旦身を置き、改めて具象の祈る道具を考えるのです。
newpray02.jpg
この差は実に大きいのですよ!

キーワードをどう読み解くか!?
シンクタンクから発表される時代のキーワードをどのように受け止めるか?これも同じように、具象から抽象、そして具象という“思考の行ったり来たり”が必要になるのです。ヒット商品番付表の読み取り方も同じですね。

シンクタンクが発表する時代のキーワードは、あくまで丸められた“異を唱えにくい優等生の言葉”です。つまり抽象概念です。みんなが、商売ですから、「なんとなくそうかな?」って思ってもらうためには仕方ありませんね。従って、そこからはデザインの独自課題は生まれません(言いきってしまいます 笑)。大切なのはキーワードを発想させた、真実味のある生活者実態の言動=源を探索するリテラシー能力です。そこを行ったり来たりできると良いんですね!そこからデザインテーマを発想する。デザインの重要な思考方法なのです。未来発想に関係します。

デザインのイロハの「イ」
社会と個人をどう「つなぐ」か、そこから『「3×4」デザインプログラム?』の「これから未来」を発想する力になります。

以前、「変わること」と言うタイトルで、8つの変化について提示しました。みなさんからコメントがないので、この思考方法で、どのようになデザインの宿題が発想できるか?やってみますね。